凝集分離の仕組みについて少しお話しさせて頂きます。
◎凝結のメカニズム
水に懸濁している粒子のうち、大きさが10umくらいまでは沈殿やろ過によって分離することは出来ますが、1um以下の粒子になると凝集処理を行わないと分離が出来ません。
さらに粒子径が0.001um以下の粒子は分子状で分散しているので、化学的な方法でいったん析出させてから凝集分離をする方法が一般的です。
凝集処理対象
粒子径0.001~1um(コロイド粒子)の範囲
コロイド粒子は粒子表面が負に荷電していて相互に反発し合っているため安定な分散状態を保っています。
その中に反対荷電(正荷電)を持つコロイドやイオンを添加して荷電を中和し凝結が起こります。
上記の荷電の中和作用を行う為に使用する薬品が無機凝集剤です。一般的には安価で無害な鉄又はアルミニウム塩類が使用されます。
上記の無機凝集剤は加水分解によって水中のアルカリが消費される為、水のpHが低下します。
この為、この後にご紹介する高分子凝集剤による凝集処理に最も適したpH範囲があるので、酸又はアルカリでpHを調整する必要があります。
◎凝集のメカニズム
高分子凝集剤(ポリマー)は上記に説明した、無機凝集剤により凝結した基礎フロックに対して、少量の添加量で凝集効果があり粗大フロックを形成します。
高分子凝集剤は大きく分けるとイオン性と非イオン性に分類され更には分子量や分岐によって多くの種類があります。
廃水の種類や目的によって様々ですが、陽イオン性ポリマーは脱水処理の前段で脱水性を向上する事を目的として使用する事が多く、陰イオン性ポリマーや非イオン性ポリマーは無機凝集剤と併用し凝結した粒子間に吸着架橋してフロックを粗大化させる事を目的として使用する事が多いです。
懸濁物質を含む廃水を処理するに辺り、無機凝集剤と数多くの高分子凝集剤の中からどれを選ぶか、またそれぞれの組み合わせも考慮すると無数の処理パターンが考えられます。
これらは、専らジャーテストを繰り返し最適な薬剤の選定をするしか方法はありません。
弊社では、これまでの実績と経験から廃水の種類や性状によりある程度の目星を付ける事が出来るのでお客様が独自に試験を行うよりも、スピーディーに最適な薬剤の選定を行う事が出来ます。
是非お気軽にご相談下さい。