ネクストリーの藤井です。
前回は「凝集(ぎょうしゅう)」について簡単に説明しました。
●雪の結晶から雪の玉を作ること、これを一次凝集または凝結(ぎょうけつ)作用という
●雪の玉から雪ダルマを作ること、これを二次凝集または凝集作用という
●雪の玉のことを専門用語で「微細フロック」と呼ぶ
●雪ダルマのことを専門用語で「粗大フロック」と呼ぶ
今回は凝集剤というものをより理解するために、
①一次凝集(雪の結晶から雪の玉を作る)
②二次凝集(雪の玉から雪ダルマを作る)
について詳しく説明します。
一次凝集とは
一般的に水が「汚れている、濁っている」というのは、非常に小さな粒子が
沈まずにフワフワと舞っている(浮遊している)状態です。
この非常に小さな粒子は、通常マイナスの電荷を持っています。
マイナスの電気を持っているために、お互いに反発し合い沈むことがなく
舞っているので、水が汚れて見えるのです。
下の図の一番左の状態です。
このマイナスばかりのところに、プラスの電荷を持っているものを入れると
どうなると思いますか?
そうです。
マイナスの電荷を持っている汚れたちが、集まってきます!!
これが一次凝集、または凝結作用です。
微細フロックが形成されます。
この一次凝集の際に使われる薬品が、無機凝集剤と呼ばれるものです。
※無機凝集剤については、後で説明します。
二次凝集とは
一次凝集で出来た微細フロックだと、なかなか沈殿しません。
フロックの沈降速度は粒子径の2乗に比例して大きくなるので、粒子径を大きく
する事で、沈降が早くなり短い時間で処理する事ができます。
この時に微細フロックをくっつけて大きくする「接着剤」のような働きを
するものが「有機凝集剤」と呼ばれるものです。
この有機凝集剤のことを、別名「ポリマー」とも呼びます。
ここで、ややこしい事に世間一般的に「凝集剤」と言うと、「有機凝集剤
(ポリマー)」を指すことが多いです。
私たちもお客様から相談を頂いた時に、現状をヒアリングしていると
「凝集剤を使っています。」と言われることがあります。
そうすると私たちは
「無機ですか?有機ですか?」と聞くと、
「わかりませんが、凝集剤を使ってます!」と言われ、現状のヒアリングに
苦労する事があります(苦笑)
次回は、このややこしい「凝集剤の種類」について説明します。