ネクストリーの藤井です。
3月は台湾のメッキ工場へ10日間出張へ行っておりました。
メッキ廃水は重金属などが含まれており、しっかり処理しなければ
環境への負荷が大きい廃水です。そのため非常に細かな部分まで
試験をする必要があり、大変な廃水ではありますが、しっかりと
お客様の課題を解決するために試験をしてまいりました。
さて今回は、あるお客様から依頼を頂いた凝集試験の事をご紹介
させて頂きながら当社の強みである
『最適な凝集剤及び薬品の選定』
についてお話します。
今回の依頼内容は現在、あるメーカーさんの凝集剤を使用しており、
メーカーさんに凝集試験を依頼し凝集剤の適正添加量について報告は
もらったそうです。しかし、その試験内容を元にもう一度当社にて
添加量及び薬品の適正を確認して欲しいという内容でした。
メーカーさんからの報告内容は以下のような内容です。
※表内の数値及び写真は実際のものではありません。
〇各薬品の添加量及びpHの変化
PAC(パック) | pH | 苛性ソーダ | pH | 高分子凝集剤 | |
1 | 2000ppm | 4.45 | 2200ppm | 7.33 | 70ppm |
2 | 2500ppm | 4.28 | 3400ppm | 7.53 | 70ppm |
3 | 3000ppm | 4.26 | 4200ppm | 7.32 | 70ppm |
4 | 3500ppm | 4.26 | 5300ppm | 7.42 | 70ppm |
〇添加量の違いによる比較写真
当社でも適正添加量を測定する為に、同様の試験を実施しました。
結果はほぼ同じような添加量となりました。
しかし
他の薬品でも適正を検討する為に試験をしている時に、ある違和感
を感じました。それは、pH(ペーハー)です。
無機凝集剤(PACや硫酸バンドなど)は製品の中に含まれるアルミ分
の量によって添加量が増減する事が多い製品です。そのため、アルミ分
の多い製品を使えば添加量が少なくなり、少ない製品を使えば添加量が
多くなるのが一般的な反応です。
ところが今回は、複数の薬品を試している時に、アルミの少ない製品
にもかかわらず、良い結果となったケースがありました。
そこに違和感を感じたのです。
その違和感の正体が、pH(ペーハー)でした。
今回の廃水の最大の特徴は
『pHを6くらいまで下げるだけで凝集し、固液分離(凝集)する』
という点でした。
下の写真は、希硫酸を用いてpHを6前後まで下げ、その後高分子凝集剤
を投入した写真です。
たったこれだけの薬品で凝集処理が可能なのです。
これによって、
〇薬品コストは年間数百万円の削減に繋がります。
〇汚泥発生量も確実に削減できます。
このように当社では、数種類の凝集剤を試験する中で感じた違和感を
大切にし、その部分を追求する事でよりよい処理方法を模索します。
大手メーカーさんではできない、細かい試験が当社の強みである
『最適な凝集剤及び薬品の選定』
に繋がっているのです。
これからも一人でも多くの方、一社でも多くの企業のお役に立てるよう
全力で提案させて頂きます。
水処理でお困りの際には、ぜひご相談ください。