苛性ソーダの排水処理での特徴とは?危険性が低い他の薬品も紹介

「苛性ソーダを排水処理に使っているけれど、劇物なので安全な薬品に変えたい…。」と先日お問い合わせがありました。

苛性ソーダは目に入れば失明するほど危険性が高い薬品ですが、排水処理の現場で一般的に使用されています。

今回の記事では苛性ソーダの持つメリットとデメリットを解説して、代替薬品を紹介します。

安全な薬品をお探しの方は必見です。

 

苛性ソーダとは?

苛性ソーダの正式名称は水酸化ナトリウムで、pH12程度の強いアルカリ性で水に溶けやすい性質を持つ薬品です。

また苛性ソーダは人体に有害な薬品で、皮膚や目に付着することで、失明や化学熱傷を引き起こし、再生できない傷が残るので、取り扱う際は保護メガネやゴム手袋など保護具が必須です。

排水処理の現場では、苛性ソーダは排水処理でpH調整剤として、pHが低い排水を放流基準内に収めるために使用されます。

一般的な水処理はPACなどの無機凝集剤で汚れた水に凝結させ、その後高分子凝集剤で凝集させることで、汚れを沈澱させます。

無機凝集剤は酸性の薬品で水に投下するとpHが下がるため、高分子凝集剤を投入する前に苛性ソーダを使っての中和処理が必要です。

凝集処理の流れは以下の記事でも解説していますので、合わせてご確認ください。

参考記事:凝集剤ってなんだろう?凝集処理の流れと 無機凝集剤と高分子凝集剤の使い方

 

排水処理における苛性ソーダの特徴

排水処理でpHを上げたい場合、使用される薬品は主に苛性ソーダと消石灰の2つです。

この2つのアルカリ剤を比較したとき、苛性ソーダを導入するメリットとデメリットは以下の通りです。

〇メリット ×デメリット

消石灰と比べると汚泥が少ないので産廃コストが安くなる

毒劇物に該当しており、人体に有害である

水に溶けやすくpHが上がりやすい

業務上取扱者を選任する必要があり、保管に規制がある

pH調整剤としては非常に優秀な苛性ソーダですが、危険性が最大のデメリットです。

苛性ソーダと水を混ぜると発熱により、苛性ソーダが飛び散る可能性があります。

苛性ソーダを体に浴びて労災となった事例もあるので、安全性を考慮し、使わない方法を模索する企業も増えてきました

 

苛性ソーダ以外のpH調整剤

PACなど酸性の薬品を使うことが多い排水処理では、pH調整が欠かせません。

苛性ソーダ以外のpH調整剤には以下があります。

  • 消石灰
  • アクアネイチャーDC

それぞれの特徴を簡単に確認していきましょう。

消石灰

苛性ソーダと同じくpH調整剤であり、正式名称は水酸化カルシウムです。

消石灰はラインカーの白線の正体であり、人体にも安全です。

しかし、消石灰は水に溶けにくく反応速度が遅い、粉末のため現場が汚れやすいなどのデメリットがあります。

苛性ソーダと比較して汚泥量が増えるので、消石灰もなるべく使いたくないというユーザー様が多いのが実際のところです。

消石灰については以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

別記事:消石灰は排水処理に必要?役割やトラブルを分かりやすく解説

アクアネイチャーDC

アクアネイチャーDCは消石灰と比較して、粘性や沈降性がコントロールされ、使いやすく改良した薬品です。

pH調整剤として一般的に使用される25%苛性ソーダと比較して、半分の添加量で同等の効果を発揮します

劇物や危険物に該当せず、安全性とpH調整を兼ね備えた薬剤です。

商品ページ:カルシウム系アルカリ剤「アクアネイチャーDC」

 

苛性ソーダを使わずに排水処理はできる!

pH調整剤として優秀な苛性ソーダですが、劇物なので安全面から使いたくないと考える企業は増えています。

弊社でも、数年前現場で苛性ソーダをポリタンクからバケツに移す作業をしている時に、誤って目尻に付着してしまったことがあります。

幸いすぐに洗い流せたので無傷でしたが、直接目に入れば失明は避けられませんでした。

こういったリスクを現場から無くすためにも、ネクストリーでは苛性ソーダを使わないアクアネイチャーDCと粉末一剤型凝集剤の組み合わせを提案しています。

苛性ソーダを使わない排水処理に興味がある方は、ぜひ一度ネクストリーまでお問い合わせください。

一日10㎥以下の排水処理のことなら、薬品から設備まで何でもご相談ください。
手動式設備から全自動までご要望・予算に合わせて最適なご提案を致します。
ご質問はLINEからも受け付けております。

関連記事