前回のブログで、連続式とバッチ式の排水処理装置それぞれの特徴をお話ししましたが、今回のブログでは小型の排水処理装置について詳しく説明いたします。
小型の排水処理装置の種類
排水処理装置には連続式とバッチ式があり、基本的には小型といえばバッチ式になりますが、連続式にも小型のものがあります。
バッチ式と小型の連続式の違いは、バッチ式は一つの水槽に一定量の水を溜め、そこに処理に必要な薬剤を入れて処理を行います。
そのため、この一つの水槽のサイズが大きくなる場合がありますが、小型の連続式は連続で水が入ってきてまた次の水槽へと移るので、一つ一つの水槽が小さくてすみます。
弊社ではバッチ式の目安として、2000〜3000リットルまでを1回で処理できるものとしており小型のバッチ式排水処理装置と呼んでおります。
例えば、1時間に1000リットルの排水を処理したい場合。
水槽の滞留時間が20分で処理が完了するとすれば、水槽の大きさが⅓(300リットル程度)ですみます。
水が1時間に1000リットル入ってくる間に20分撹拌しておけば、次の水槽に移ることができます。
このように、連続式も必ずしも大きいものだけでなく、スペース的にコンパクトにしたいということであれば小型の連続式もあります。
しかし排水量が少ない場合は、基本的にはバッチ式を選ばれる企業様が多いです。
小型のバッチ式排水処理装置には何種類かラインナップがあり、水槽の容量、薬品の投入の仕方、自動か手動か、濾過方式をお客様と相談して組み合わせていきます。
水槽の容量は200、300、500、1000、1500、2000リットルのものがあります。
例えば1日当り2000〜3000リットルの排水を処理したい場合、1000リットルや1500リットルの装置を1日2~3回動かすという形で採用されています。
弊社への依頼は、1000リットルが多いです。
薬品の投入の仕方でも装置の仕様が変わってきます。
液体の薬品を使う場合、薬注タンクにポンプを設置して、液体の薬品を水槽に落としていきます。
粉末の薬品の場合、自動供給機(定量フィーダー)で粉を落としていきます。
また、容器に薬剤の量の目安を書いておき、手動にて薬品を入れて水槽に落とすということもできます。
小型のバッチ式排水処理装置を動かす方法として3パターンあります。
まず全自動式は、原水の汲み上げ、薬品の投入、撹拌、脱水、全て自動で行われます。何も触る必要がありません。
そして半自動式は、薬品の投入と、濾過袋だけ交換というように一部だけが手動です。
また全手動式もあります。半自動や全自動の場合、水を抜く際は電動弁が回って水が流れ出しますが、手動式の場合それも自分でバルブを捻らないと流せないようになっています。
処理した後に出てくる汚泥から水分を抜く濾過方式も2パターンあり、脱水機を採用したり、自然濾過式を採用したりします。弊社ではどちらも取り扱っております。
小型排水処理装置の一般的な特徴
小型の排水処理装置でいうと、一般的には脱水機がついているパターンが多いです。
それと、液体タイプの薬品を取り扱っているメーカーさんが多いので、液体の薬品を使うときに必要な薬注タンク3つと溶解装置、そして各々にポンプが付いている装置が一般的と言えます。
ネクストリーの小型排水処理装置の特徴
弊社は「アクアネイチャー」シリーズなど粉末タイプの薬品を取り扱っているため、先ほど説明した一般的な装置を使わずにすみます。
それに、脱水機、自然濾過方式のどちらもご提案できます。コストを抑えることのできる自然濾過方式をお客様にご提案することのほうが多いです。
日本の水処理のエンジニアと作ってきた商品(装置)がありまして、それは完全オーダーメイドとなります。
例えば、上澄みの配管の径をこの大きさにしたい、上澄をどこから抜くか、というような仕様をお客様の排水に合わせて一つ一つ決めていきます。
一社独自のオーダーメイドの排水処理装置になります。それが弊社の、昔からやってきた大きな特徴と言えます。
それに加えて、弊社で仕様を先に決めて中国で生産している、いわゆる既製品があります。
これはオーダーメイドよりもかなりコストを抑えられます。
以前から装置を導入している企業様で、古くなった装置を変えたいという案件をいただく際に、よく元々使っている装置についての不満点などが出てくることがあり、そういうケースの場合はオーダーメイドをご提案します。
装置を導入するのが初めての企業様には、特にこだわりがないことが多いため、中国で生産した低価格の既製品をオススメすることが多いです。
このようにオーダーメイドか既製品かを提案しているメーカーは他にはあまりないかもしれません。
以上、小型の排水処理装置についてでした。