バッチ式 (回分式活性汚泥法)と連続式廃水処理のメリットとデメリットを解説

廃水処理には廃水の種類に合わせた様々な処理方法があります。
 弊社の得意としている凝集沈殿、膜等を使ったろ過処理、また微生物を使った生物処理等、処理方法は多岐に渡ります。

 では、それらの処理を使って具体的にどのように処理を行って行くのか?これまでも何度かお話しに出て来ておりますが、大きく分けて二つあります。


 それが、『バッチ式(回分式)』『連続式』です。

 これら二つの処理方法は、どのような違いがあるのか?また、それぞれメリットデメリットは?この点は、非常に重要でお客様の廃水の条件に合わせて、どちらを選ぶか検討する必要があります。

 

バッチ式(回分式)廃水処理とは?

 排水処理装置全景

 バッチ式とは、原水の汲み上げから、薬剤投入、攪拌機を使って反応、沈殿、上澄み放流、汚泥回収。これらの工程を順番に一つずつ行っていき処理を完了させます。
 よくあるご質問ですが、



 『バッチが手動式で連続式が自動って事?』

 との声がありますが、決してそういう訳ではありません。バッチ式でも自動処理は可能です。
 
 このような処理方法なので、装置の処理能力には〇〇リットル/1回と表記されています。

 

バッチ式(回分式)廃水処理のメリットとデメリット

 

メリット

◎省スペース
◎薬剤の投入量を都度調整出来る。
◎処理後の水質を確認してから放流出来る。

 

 

デメリット

◎連続式に比べると処理に時間がかかる。
◎大容量処理には向かない。

 

 一般的なメリット、デメリットを挙げてみましたが、バッチ式は廃水量が少量の現場に向いております。反応や沈殿等を同一槽内で行うので装置の設置スペースは比較的にコンパクトに収まります。また、原水の水質がどうしても調整出来ない場合は処理方法を調整出来るので、水質変動の大きな現場には向いているかと思います。

 

連続式廃水処理とは?

 連続式

連続式とは、原水の汲み上げから、薬剤投入、攪拌機を使って反応、沈殿、上澄み放流、汚泥回収。

これらの工程をすべて同時に行い、それぞれの処理工程は途切れることなく処理を完了させます。
 
 このような処理方法なので、装置の処理能力には〇〇リットル/1時間と表記されています。

 

連続式のメリットとデメリット

 

メリット

◎少量から大容量まであらゆる廃水量に対応出来る。
◎夜間運転等、無人運転に比較的に対応しやすい。

 

 

デメリット

◎装置は比較的に大きめ。
◎水質の変化に対応し辛い。
◎処理不良が起きた時に、対応が遅れる。
 
 バッチ式と連続式でメリット・デメリットが相反しておりますが、連続式は何より大容量に対応出来るのが一番のメリットかと思います。

 

常に一定量の廃水が送水され一定量の薬剤が注入されるので、原水が変化すると、瞬時に薬剤注入量が調整出来ない為、凝集不良等を起こしやすいというデメリットがあります。



 廃水処理の工程において、バッチ式か連続式かを決定するのは、かなり重要なポイントになります。今後のご参考になれば幸いです。


 次回は、これを踏まえた上で、安定した廃水処理を行う為の方法をご紹介したいと思います。

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