「フッ素の排水処理基準がクリアできずに困っている…。」
このようなお悩みをお持ちではないでしょうか？
フッ素は半導体や電子部品の製造で多量に使用されるため、工場排水にも多く含まれています。
消石灰だけの処理では、排水処理の基準値を下回れないことがあります。
この記事ではフッ素除去剤を使用した、フッ素排水の処理について分かりやすく解説します。
目次
フッ素の排水基準
工場排水に含まれるフッ素は、第2種特定有害物質です。
人体に影響を与える重金属類に指定されており、河川などに放流する際も慎重に対応する必要があります。
環境省が定める一般排水基準で決められている
フッ素を含む工場排水の放流基準値は8mg/Lです。
これは環境省が定める「一般排水基準」によって明確に定められています。
参考：環境省「一般排水基準」
排水基準を満たさない排水を出した場合、懲役や罰金などの罰則が科せられる可能性もあります。
基準値まで下げるのが難しい
消石灰を使った処理により、20〜30mg/Lまでは簡単に数値を下げられます。
しかし、基準値である8mg/Lまで安定して下げることが難しいのが、フッ素を含む工場排水の特徴です。
中には自社で測定するとフッ素の排水処理基準を下回っているのに、行政の監査で引っかかってしまう事例もあります。
これはフッ素が錯体と呼ばれる電極で測れない状態になっているためです。
消石灰を使ったフッ素処理
フッ素の排水処理として、最も有名なのが消石灰を使った方法です。
消石灰を使ったフッ素処理について、確認しておきましょう。
スタンダードなフッ素処理方法
フッ素処理と言えば消石灰と言えるほど、スタンダードな方法です。
消石灰をフッ素を含む排水に入れると、フッ化カルシウムが生成されます。
フッ化カルシウムは汚泥として沈降するので、取り除くことでフッ素の濃度を下げることが可能です。
消石灰を使ったフッ素処理の課題
消石灰を使用する方法には以下のように課題が多くあるのが現状です。
「できれば使いたくない」という声もよく聞きます。
- 反応にムラがあり、フッ素の放流基準値を下回ることができない
- 発生する汚泥が多くなる
- スケールが発生して配管やポンプに詰まる
- 消石灰を充填するたびに粉塵が舞い、現場が汚れる
できれば使いたくない消石灰ですが、高濃度のフッ素をある程度の濃度まで下げるには、とても効果的です。
低濃度のフッ素処理には向かない
消石灰を使えば、ある程度のフッ素をある程度の濃度までは下げられます。
しかし、排水基準の8mg/Lまで下げようと思うと、消石灰が大量に必要です。
それでは、なぜフッ素は排水基準まで下がらないのでしょうか？
簡単に言うと、汚泥として処理したフッ化カルシウムから、フッ素が再度水に溶け出してしまうからです。
そのため、低濃度のフッ素処理では消石灰以外の方法が用いられます。
低濃度フッ素の処理方法
前述したとおり、フッ素を排水基準値以下にしようと思うと、消石灰を使った方法だけでは難しいのが実情です。
低濃度フッ素の処理方法を確認していきましょう。
水酸化物共沈法
水酸化物共沈法は、PACや硫酸バンドなどを添加して、低濃度フッ素を処理する方法です。
PACや硫酸バンドを添加することで生成されるフッ化アルミニウムの沈降により、フッ素を除去します。
排水基準の8mg/L以下にすることが可能ですが、フッ素の吸着量が少なく、大量の汚泥が発生するなどが課題です。
吸着法
吸着法は、吸着剤が充填されている塔にフッ素を含んだ排水を通します。
吸着塔を通すだけでフッ素を除去できるので、安定して低濃度フッ素の処理が可能です。
吸着剤は吸着できるフッ素の量が決まっているので、消石灰などであらかじめ低濃度に処理しておくことが必須となります。
消石灰じゃないフッ素処理｜フッ素除去剤の利用着法
フッ素を含む工場排水の処理のお困りの方は、ネクストリーが提案する「フッ素除去剤」をぜひ一度お試しください。
ネクストリーでは、これまでフッ素を含む工場排水の処理を数多く経験してきました。
フッ素処理の専門家が自信を持っておすすめする薬品です。
フッ素除去剤の特徴
ネクストリーが提案するフッ素除去剤の特徴は以下の通りです。
- 液体タイプなのでスラリー作成の必要がない
- 中性域でフッ素が除去できるので、pH調整をする必要がない
- 添加する量を調整するだけで低濃度から高濃度まで対応可能
フッ素除去剤は、後述で説明するように既存設備を流用できる可能性が高く、薬品の変更のみでお試し頂けます。
フッ素の放流基準値をクリアできる
フッ素除去剤を使うことで、ほぼ確実に放流基準値の8mg/L以下にすることが可能です。
PACや硫酸バンドを添加する方法と比較して、添加量が少なく済みます。
薬剤の使用を減らして、放流基準をクリアできるため、安価で効率的なフッ素処理が可能です。
既存設備を流用できる
フッ素除去剤は、凝集沈殿処理でフッ素を処理する薬品のため、既存の設備のまま、あるいは多少改修すれば使用できます。
設備投資までは予算を掛けられないというユーザー様でも、低濃度フッ素の処理ができるかもしれませんので、ぜひご検討ください。
目標値までフッ素濃度を低減した事例
富山県の金属加工業に、フッ素濃度を目標値まで低減するためにフッ素処理用凝集剤を導入いただいた事例を紹介します。
こちらの企業では既設の排水処理装置で、石灰を使用した一段凝集処理によるフッ素処理を行っていましたが、処理水のフッ素濃度が目標値に到達できず、井水で希釈して放流していました。
こちらの企業で抱えていた課題は以下のとおりです。
- 既設の排水処理設備ではフッ素を目標値まで低減できない
- 井水で希釈をしないと放流することができない
- 原水濃度にバラつきがあり排水処理が安定しない
フッ素を処理するためには、石灰を使用した二段階凝集処理が最も効果的な処理となります。
しかし、処理フローが煩雑になるうえに設備も大きくなるので、一段階凝集処理の中に助剤としてフッ素処理用凝集剤を併用し、フッ素除去効果を高める提案をさせていただきました。
（なお、フッ素処理用凝集剤単独でも処理は可能ですが、フッ素濃度が高い場合は添加量が多くなり、コストを抑えるために石灰との併用での処理を提案しています。）
一段階凝集処理の中に助剤としてフッ素処理用凝集剤を併用した結果、目標値までフッ素濃度を低減することができました。
濃厚廃液と希薄駅の流入量を調整することで、原水濃度が一定となり常に安定した凝集処理とフッ素処理が可能となり、井水での希釈をせずに放流できるようになった事例です。
まとめ
フッ素を含んだ排水処理は多くの企業様の悩みの種です。
半導体や電子部品の需要が伸び続けているので、工場排水のフッ素処理に関するニーズは今後も高まっていくことが予想されます。
ネクストリーはフッ素の排水処理で数多くの実績があるのが強みです。
ほぼ確実にフッ素濃度を放流基準値8mg/L以下にできます。
気になる方はぜひ下記フォームからお気軽にお問い合わせください。
