「高分子凝集剤はよく耳にするけれど、普通の凝集剤とは違うの?」と思っている人も多いかもしれません。
水処理に欠かせない凝集剤には実は色々な種類があります。
高分子凝集剤もその一つです。
本記事では高分子凝集剤の特徴や、その他の凝集剤との違いについて解説します。排水処理にお困りの方は、ぜひご覧ください。
目次
高分子凝集剤とは?
高分子凝集剤は排水処理の中で粗大フロックを作るための薬品です。
イメージとしては「もの同士を接着させるのり」と言えば、分かりやすいかもしれません。
排水処理における凝集方法は後ほど解説していきますが、のりの働きをする高分子凝集剤は排水処理で必須の存在です。
凝集剤の種類
排水処理に使用される凝集剤は、大きく分けて3種類あります。それぞれを確認していきましょう。
無機凝集剤
無機凝集剤は汚れた水に一次凝集(凝結作用)を起こす薬品です。
汚れた水の中にはマイナスの電荷を持った小さな粒子でが浮遊しています。
無機凝集剤はプラスの電荷を持っておりで、汚れた水に投入することにより、マイナスの電荷を持った粒子を集めることが可能です。
この集まった粒子のことを専門用語で微細フロックでと呼びます。
■無機凝集剤の例
PAC、硫酸バンドなど
高分子凝集剤
高分子凝集剤は二次凝集(凝集作用)を起こす薬品です。
PACなどの無機凝集剤を入れてできた微細フロック同士を「のり」の働きによって接着させます。
接着して大きくなった微細フロックの集まりが「粗大フロック」です。
粗大フロックを形成することにより、水の中で沈降速度が速くなります。
汚れと水をすばやく分離させる役割を担っており、高分子凝集剤は排水処理には欠かせません。
高分子凝集剤は別名ポリマーとも呼ばれ、イオン性ごとにアニオン・カチオン・ノニオンの3つに分類することが可能です。
粉末一剤型凝集剤
粉末一剤型凝集剤は無機凝集剤と高分子凝集剤の働きを合わせ持っています。
1つの薬品で粗大フロックを作ることが可能なので、専門知識がなくても簡単に排水処理ができるのが大きな特徴です。
凝集剤の作用について
排水処理には微細フロックを作る一次凝集と粗大フロックを作る二次凝集があります。
凝集剤の作用について図を見ながら確認していきましょう。
一次凝集
汚れた水に浮かぶマイナスの電荷をもった汚れを、プラスの電荷を持っているPACなどの無機凝集剤で集めるのが一次凝集です。
一次凝集により微細フロック(別名基礎フロック)を形成します。
中和処理
PACなどを使って一次凝集された水は酸性に傾くことが一般的です。
酸性に傾いた水のpHを戻す為に、苛性ソーダや消石灰などの中和剤を使います。
この処理が中和処理です。
二次凝集
一次凝集で集めた微細フロックを、高分子凝集剤を投入することで粗大フロックにします。
これが二次凝集と呼ばれる工程です。
粗大フロックにすることで、水中で汚れの沈殿速度が速くなるので、水と汚れを素早く分離することができるようになります。
高分子凝集剤と凝結剤の違い
高分子凝集剤と似た薬品が「凝結剤」です。
名前はよく似ていますが、用途が異なります。違いを確認していきましょう。
凝結剤は無機凝集剤の代わりになる
凝結剤は一次凝集で使う薬品です。
PACなどの無機凝集剤に代わって使われる場合があると覚えておきましょう。
PACなどを使うと、必ず一定以上の汚泥が発生します。
一方の凝結剤は汚泥を発生させずに一次凝集させることが可能です。汚泥処理が楽になるというメリットがあると言えるでしょう。
また凝結剤は投入しても水のpH低下がないので、苛性ソーダや消石灰を使った中和処理の必要もありません。
凝結剤では粗大フロックが作れない
高分子凝集剤と凝結剤の違いは「粗大フロックを作ることができるかどうか」ということです。
凝結剤は一次凝集で使用する薬品のため、粗大フロックを作ることはできません。
二次凝集を行なう際には、高分子凝集剤との併用が必要となります。
ネクストリーの粉末一剤型凝集剤
ネクストリーでは無機凝集剤と高分子凝集剤の役割を1つの薬品で実現する粉末一剤型凝集剤「アクアネイチャー」をメインで取り扱っています。
- アクアネイチャープラス:多用途型凝集剤
- アクアネイチャーAL:インキ含有排水凝集剤
- アクアネイチャーライト:浮上型凝集剤
- アクアネイチャー:土木工事濁水用凝集剤
- アクアネイチャーGM:硝子加工排水用凝集剤
- アクアネイチャーHR:大規模排水用凝集剤
数種類あるアクアネイチャーの中から、お客様にとってベストな商品をご提案することが可能です。
排水のサンプルを頂ければ、ネクストリーにてテストを行なうこともできます。
気になる方はお気軽にお問い合わせください。