糊(接着剤)を含んだ汚水の特徴は?トラブル例や排水処理方法を解説

「白濁している糊を含んだ汚水を未処理のまま排水していて、近隣住民からクレームがあった!」これは実際に弊社までお問い合わせいただいたお客様の声です。

※糊を含んだ汚水は、排水量が少なくて水質汚濁防止法の規制対象になりにくいため、未処理のまま排水されているケースも多いですが、見た目が白濁していることもあり、近隣からの苦情に発展することも珍しくありません

(※現場によっては「接着剤」と呼ばれることもあります。)

本記事では糊を含んだ汚水の特徴や排水処理方法について、わかりやすく解説しています。

複数の薬品を一剤に集約できる製品や事例についても紹介しますので、糊を含んだ汚水の排水処理にお困りの方は必見です。

 

製袋加工業や段ボール加工業からよくでる糊(接着剤)を含んだ汚水

原紙から米袋やクラフト袋を製造する製袋加工業や、段ボール箱を作る段ボール加工業では、糊を含んだ汚水がよく出ます。

この2つの業種からは糊を含んだ汚水の他に、印刷時に使用するフレキソインキを含む汚水もセットで出るのが特徴です

フレキソインキを含む汚水は、1日に数トンレベルの排水が出るため、既に排水処理されているケースが多いですが、糊を含んだ汚水は1日に数十~数百リットルと少量のため、未処理のまま排水されているケースが多いといえます。

 

糊(接着剤)を含んだ汚水のトラブル例

糊を含んだ汚水を未処理のままでいると、以下のトラブルが起きる可能性が高まります。

  • 配管が詰まりやすくなる
  • 近隣住民から苦情が出る可能性がある

糊を含んだ汚水は、空気に触れると水中の成分が固化しやすいという特徴があり、未処理のままでいると配管が詰まったり、側溝の縁に固化物が付着したりします。

清掃の手間がかかり、余計なコストが発生することもあるでしょう。

配管の詰まりよりも怖いのが近隣住民からの苦情です。

糊を含んだ汚水は、白濁しているため、未処理のまま排水しているところを近隣住民が発見した場合、クレームが入る可能性があります

特に農家や漁協が近い現場では、排水の見た目が問題となるケースもあるので注意が必要です。

 

糊(接着剤)を含んだ汚水の特徴

糊を含んだ汚水には、以下の特徴があります。

  • 白濁している
  • pHが安定しない

それぞれの特徴を掘り下げて確認していきましょう。

白濁している

糊を含んだ汚水は上の写真のように白濁していることがほとんどです

コーンスターチやタピオカなどのデンプン糊や木工用ボンドなどの酢酸ビニル系の糊に由来しています。

非常に細かい粒子が水中に浮遊しているため、長時間放置してもほとんど沈澱することなく、白濁したままです。

pHが安定しない

製袋加工業や段ボール加工業で使用される糊は、固まらないように苛性ソーダを入れて調整されている場合があります。

使用される苛性ソーダの量によって、糊を含んだ汚水のpHが大きく変わることも珍しくありません

デンプン糊を使用している場合は、天然由来の成分のため腐敗しやすく、急激にpHが下がる場合があるなど、現場によってpHが異なるのが特徴です。

 

糊(接着剤)を含んだ汚水の排水処理方法

糊を含んだ汚水の排水処理方法は、一般的な排水処理方法の他に、粉末一剤型凝集剤を使う方法もあります。

それぞれの排水処理方法を確認していきましょう。

一般的な排水処理方法

糊を含んだ汚水の排水処理方法は、一般的には以下のステップで行います。

  1. 凝結処理
  2. pH調整処理
  3. 凝結処理

1〜3それそれの工程で薬品が必要となるため、使用する薬品の種類が増えて、処理工程や薬品管理が複雑になるのがネックです

糊を含んだ汚水はpHが安定しないという特徴もあるため、pH調整処理は特に難しくなります。

また製袋加工業や段ボール加工業ではフレキソインキを含む汚水と糊を含んだ汚水が混ざっているケースがあります。

この場合はさらに排水処理が難しくなり、処理しても白濁が取れないこともあるため、フレキソインキと糊は分けて排水処理するようにしましょう

粉末一剤型凝集剤での排水処理方法

少量の糊を含んだ排水の処理であれば、弊社が開発した「アクアネイチャープラス」一剤で、簡単に処理できます。

上の画像は糊を含んだ汚水を『アクアネイチャープラス』で処理したものです。

pH調整が難しい糊を含んだ排水であっても、アクアネイチャープラスの添加量の調整だけで、処理できました

また一剤で処理が済むため、処理にかかる時間が少ないのもメリットです。

 

糊(接着剤)を含んだ排水処理の導入事例

富山県にある製袋加工業に排水処理装置と凝集剤『アクアネイチャープラス』を導入した事例を紹介します。

こちらのお客様は1日あたりの排水量が4m3と水質汚濁防止法の適用を受けないため、糊を含んだ汚水を4つの水槽に貯めて、自然沈降させた後に放流していました。

しかし、生産量が増加して水槽内での滞留時間が短くなり、白濁したままの汚水を放流する事態となっていました

そこで弊社が提案したのが、凝集剤『アクアネイチャープラス』の導入による糊成分の沈澱スピードアップです。

自然沈降から凝集処理に変更したことによって、白濁を取り除いた状態で排水できるようになりました

詳しくは以下の導入事例をご確認ください。

参考:製袋加工工業 排水の濁り改善

 

糊(接着剤)を含んだ汚水の排水処理ならネクストリーにお任せを

糊を含んだ汚水は1日あたりの排水量が少なく、未処理で排水している企業も珍しくありません。

しかし、見た目が白濁しており、近隣住民から苦情が入るリスクがあるため、処理して排水することを推奨します。

糊を含んだ汚水の排水処理なら弊社ネクストリーにお任せください。

粉末一剤型凝集剤『アクアネイチャープラス』や安価で導入できる排水処理設備までトータルで提案いたします

気になる方はお気軽にお問い合わせください。

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