今回のブログでは、排水処理装置の故障についてお話しいたします。
排水処理装置のよくある故障の例
排水処理装置は頻繁に壊れるものではありませんが、いくつかある故障の例を上げていきます。
①鉄の腐食
故障に繋がるものとしてお客様からのお問い合わせで多いのが、鉄で作られている部分の腐食です。
装置全体がステンレスで作られているわけではなく、水槽を支える架台であったり、脱水機だったり、ところどころに鉄製のものがあります。
長年使っている装置で鉄製部分の腐食が進んでしまったために取り替えたい、というリプレイス案件のお問い合わせをいただくことが多いです。
液体(水)と金属が接する部分(接液)が一番腐食の進みやすい部分です。
例えば、液体の酸性が強く、金属が酸性に耐えゆるものでないと異常に錆びてしまいます。
鉄製の水槽を使っている企業様もあり、その場合は腐食すると水槽に穴があくこともあります。
化成品製造業様の事例ですが、排水中のpH値が常に酸性なのですが、耐酸性の水中ポンプを利用しなかったため、通常の水中ポンプを導入すると、3ヶ月ほどで錆びて故障してしまいました。
②ベアリング等消耗品の劣化
滑らかに歯車が回るように、ベアリング(モノの回転を助ける部品)を使用している装置があります。
例えば、弊社の一剤型凝集剤アクアネイチャープラスを定量投入する為の粉体定量供給機のスクリュー部には3ヶ所使用されています。またポンプには水の侵入を防ぐ為にシールが使われています。
このように排水処理装置に使われている部品の中にも消耗品があり、日々の使用によって劣化していく為、定期的な交換が必要となります。
③ポンプの故障
配管の詰まりによってポンプが水や薬品を吸わなくなってしまったり、ポンプに入っている電気の基盤腐食により漏電し故障することがあります。
また、タオルなどの異物が混入して故障する事例もありました。
④排水の電動弁の故障
電動ボール弁はあまり頑丈ではないので、開閉時に異物が混入し挟まってしまうと過負荷が生じて壊れてしまいます。
排水処理装置が故障しないようにするために
排水の特性をまずしっかり理解していただき、接液部に関しては排水に合ったものを選ぶようにしていただくのが一番です。
酸の強い排水の場合は耐酸性にする、排水の水温が高ければ耐熱性にする、金属の削ったものが含まれる水であれば耐摩耗性にするなど、対策をしておかなければいけません。
基本的に故障は起きるという前提で、ベアリングや電動弁など予備を準備しておくと、突然故障してしまっても、早めに排水処理を再開することができますよね。
あと装置の故障によって工場での製造を止めないためにも、原水タンクは出来るだけ大きいものを用意しておくことが望まれます。
例えば1日の排水が1トンの工場で、原水タンクが1トン分の水槽だけだと、装置が故障で止まってしまい、もし修理に3日かかるとしたら、2日分の排水の行き場所がなくなってしまいます。
そうならないために、念のため3日分の排水が備蓄できるくらいのタンクを持っておくと安心です。
故障しないようにすることも大事ですが、故障した時のために備えておくことが最も大事です。
それでは、今回は排水処理装置の故障についてお話ししました。