前回のお話しでは、
「凝集剤で処理した水は捨てても大丈夫ですか?」
と言うテーマでお話しさせて頂きました。
今回も前回同様、弊社によくお問い合わせ頂く内容についてお話しさせて頂きます。
製造現場において、加工工程や仕上げ工程で使用する「水」は使用後、様々な加工屑、研磨粉、化学薬品が含まれており、それらが懸濁物質となり一部ないしは全部が水中を浮遊し目視で言う「汚れている」や「濁っている」となります。
それらを、そのまま廃棄するとなると、一体どのような流れになるのでしょうか?
弊社は引取業者ではありません。これまで自社でも廃棄した事もありますし、お客様の先での出来事もありますので、あくまで経験談としてお話させて頂きます。
製造工程で使用した水をそのまま廃棄するとなった場合、まず引取業者様が現物を確認して「汚水」か「汚泥」又は「廃油」等、どの分類に属するかを判断します。
主な分類としては
・一斗缶引取り(~数十リットル程度)
・ドラム缶引取り(1㎥程度)
・コンテナ引取り(数㎥程度)
・ローリー(数㎥~。量が多くポンプで汲み上げ出来るもの)
・バキュー(数㎥~。泥分が多くポンプでは汲み上げ出来ないもの)
このように分類と排出量、貯蔵環境や廃液の性状によって、収集方法が決定します。
ローリーやバキュームとなった場合は、バキュームカーのチャーター費用や作業人工等も含まれますので金額は相応なものとなります。
そして、収集後の処分方法を検討します。性状を確認する場合は、対象物に含まれている物質のSDS(安全データシート)を元に想定しますが、場合によっては分析等も行い、どのような物質が含まれているかを調査する場合もあります。
中に含まれている物質によって、処分方法が決定しますので大切な確認となります。
当然ですが、引取業者様によっては、処分する対象物に得意、不得意もありますし、自社で処分出来ない場合は、それらを処分出来る業者にお願いしなければならないので、またそこでも費用が発生してしまいます。
同じ対象物でも業者間で金額が違ってくるのはそのような背景もあるという事が理解出来れば納得です。
大まかな流れですが、上記のようなプロセスで収集運搬費用と処分費用が決定し1リットル辺りいくらという金額が算出されます。
留意点として、お客様の認識が「汚水」であったとしても「汚泥」や「廃油」と言う分類になる可能性もあります。従って、それらの引取方法と引取後、どのように処分し、処分後はどのような性状となって物質が残るのか?それらが費用決定の大事なポイントとなるのです。
個人的な見解を申しますと、費用は決して安くはないかと思います。しかし、上記のようなプロセスを経て金額が決定していると分かると妥当な金額とも思えます。
今日は、使用後の水をそのまま廃棄するまでの流れをお話しさせて頂きました。
次回は、弊社の客先で実際にあった事例を元に、
そのまま廃棄処分した場合と排水処理した場合のコストの違いについてお話しさせて頂きます。
廃水処理の困ったは弊社までお気軽にお尋ね下さい。