前回は産業廃棄物の概要を説明いたしましたが、今回は産業廃棄物の種類と費用について少し詳細にお話しします。
産業廃棄物の概要では、「事業活動で生じた全ての廃棄物が産業廃棄物というわけでなく、法令や政令で決まった20種類を指している」とお伝えしました。
その20種類とは、燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類、ゴムくず、金属くず、ガラス(コンクリート・陶磁器くず)、鉱さい、がれき類、ばいじん、紙くず、木くず、繊維くず、動物系固形不要物、動植物性残さ、動物のふん尿、動物の死体、そして産業廃棄物を処理するために処理したもので、他産業廃棄物に該当しないものがあります。
では、その20種類の中で排水処理で関わってくるのはどの分類かと言いますと、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ等です。
排水処理後に残った汚泥や未処理の廃液を、産業廃棄物処理業者に引き取ってもらうのですが、引き取ってもらう時に含まれる成分やそれらの形状、水分量、廃棄する量等で値段が決まるのです。
例えば、製造工程で廃液が発生した場合、
- その廃液をドラム缶に入れて、そのまま引き取ってもらう
- 透明の水と沈殿した汚泥に分類し、汚泥だけを引き取ってもらう
- 2の汚泥の水分をしっかり抜いてカチカチにした状態で引き取ってもらう
上記、全て引き取ってもらうことは可能ですが、1が一番費用が高くなり、3が一番安くなります。
事業所としてはなるべくこの産廃費用を抑えたいと考えているため、安く引き取ってもらえる形にして排出するようにしています。
もし、ドラム缶に入れて捨てたものが、排水処理を行う事が出来れば9割程度は排水として排出出来る可能性があり、
引取は処理後に残った約1割の汚泥のみとなるので、産廃費用を9割も削減できるのです。
産廃費用を抑えるポイント
- 製造工程で発生した廃液が、本当に産業廃棄物なのかどうか。(排水処理の可否)
- 何らかの方法で排水処理が出来るとわかった時に、どのような形状で排出するのか。
この2点を意識することが大切です。
弊社でも産業廃棄物についてお客様に質問いただいたり、ご相談にのっています。
少しでも処理コストの低減が出来るよう、ベストな排出方法を一緒に見つけましょう。
それでは、今回は産業廃棄物の種類と費用についてお話ししました。