これまで水質汚濁防止法に関する概要として、
「公共用水域の定義」について、「特定施設」について
2回に渡ってご説明させて頂きました。今回は第3回目で最後になりますが「排水規制」についてお話しさせて頂きます。
排水規制は、大きく分けて濃度規制と汚濁物質の量を規制する総量規制に分かれております。
そして、対象として規制を受けるのは、特定施設を設置する工場又は事業場(特定事業場)から河川等の公共用水域に排出される水(排出水)についてとなります。
特定施設、公共用水域については、これまでお話しした、第1回目、2回目に出てきたのでご理解頂けるかと思います。
水質汚濁防止法における排水基準
①一律排水基準
「排水基準を定める省令」で別表1及び別表2に詳細は記載されておりますが、「有害物質に関する基準」と「生活環境項目に関する基準」が定められております。
これらは、全国一律に適用される為、このような名前が付いております。
1)有害物質に関する基準
別表第1に詳細な項目と許容限度が記載しておりますが全28の有害物質の許容限度が定められております。ポイントとしては、排出水の量の大小にかかわらず適用されるというところです。
よく、排出水に有害物質は含まれているけど少量だから・・・と言うお話しを頂きますが、量に関係無く含まれていたらアウト!と言う事です。
2)生活環境項目に関する基準
こちらは別表第2に各項目と許容限度が定められておりますが、こちらのポイントは1日当たりの平均的な排出量が50㎥未満の特定事業場には適用されないというところです。
また、BOD(生物化学的酸素要求量)河川への排出水にCOD(化学的酸素要求量)は海域と湖沼に流入する公共用水域に排出される排出水に適用されます。
②暫定排水基準
一律排水基準が強化された場合や特定施設を新たに追加する場合など、一律排水基準を直ちに達成することが技術的に著しく困難な業種については、経過措置として、期限を限って暫定排水基準を適用することがあります。
③都道府県条例で定める排水基準(上乗せ基準)
都道府県は、区域の属する公共用水域のうち、自然的、社会的条件から判断して、一律排水基準では人の健康を保護し、生活環境を保全する事が十分でないと認められる場合、条例によってより厳しい排水基準(上乗せ基準)を定める事が出来ます。
条例によっては、50㎥未満には適用されない生活環境項目についても適用される場合がありますので注意が必要です。
今回は水質汚濁防止法の排水の規制についてお話しました。
これまで3回分の内容をまとめると、皆様方の事業場がどのような施設に該当し、どのような物質が含んだ排出水が発生し、どのくらいの排出量を、どこへ流すのか?と言う部分に集約されるかと思います。
排出水が新たに発生する可能性、予定がある方、現在の状況を把握出来ていない方は、この辺からまずは調査してみて下さい。
廃水処理の困ったはネクストリーに是非お気軽にご相談下さい。