フレキソインキ廃水とは?廃水・廃液の特徴と処理事例について紹介!

今年度は、非常に多くのフレキソインキ洗浄廃水の凝集処理を行って来ました。

 今回はこのフレキソインキ洗浄廃水の現場を少しご紹介し、次回はその中で稀にある『酸性廃水』についての事例をご紹介したいと思います。

 フレキソ印刷機を新たに導入し排水処理を行うお客様や、今まで廃液を全量産廃処理していましたが、今後は新たに排水処理を行いたいと言うお客様のご参考になればと思います。

 

フレキソインキ廃水内の具体的な構成

通常フレキソインキ廃水内の具体的な構成は、概ね以下の通りとなります。

①フレキソ印刷機から排出される濃厚洗浄廃液(少量)
②印判洗浄などの希薄洗浄廃水(多量)
③糊洗浄廃水(少量~多量)
④その他の廃水(少量~多量)

 概ねこの①~④の全部若しくはどれかが原水ピットに入るようなフローになっております。

 

フレキソインキ廃水を構成する廃水・廃液特徴

 

①フレキソ印刷機から排出される濃厚洗浄廃液(少量)

発生工程

インキを変える際(色変え)印刷機内で自動洗浄を行います。その時に排出される廃液です。

年々フレキソ印刷機も進化し、一回の排出量がどんどん少量になって来ておりますが、1回の色変えで10L~20Lくらいの廃液が排出されます。

廃水の性質

廃液は非常に濃厚で、単体で処理しようと思うと、懸濁物質の量が多すぎて固液分離して上澄みを放流するのは難しいです。

凝集処理を行うとほぼ汚泥となります。

固化(AL01 3%)
①を凝集処理するとこのような状態になります。

 

②印判洗浄などの希薄洗浄廃水(多量)

発生工程

お客様によって様々ではありますが、私がこれまで見てきた現場ですと、印刷後に使用した印判をシンクで手作業で洗浄します。その際に発生する廃水です。

廃水の性質

印判に付着したインキを洗浄するので、この廃水は非常に濃度は薄いですが、薄いインキの着色があります。

上手に節水して洗浄しているお客様もおりますが、基本的に蛇口を開きっ放しにして洗浄するので廃水量は多めです。

③糊洗浄廃水(少量~多量)

発生工程

製造内容にもよりますが、製袋・ダンボール製造等の場合、加工作業もある場合があります。

その工程で、デンプン糊や酢ビ糊を使用した糊付け作業があります。

小規模の糊付けでも最後に機材を手作業で洗浄するので、白濁した糊洗浄廃水が発生します。

また、コルゲータなどの設備を導入し大規模に貼合をしているところだと比較的に多量の廃水が発生します。

廃水の性質

使用している糊によって性質が大きく異なり、特にpHは酸性~アルカリ性までバラバラです。

このpHが処理上非常にやっかいなものとなります。

廃水濃度は、手作業で洗浄しているものは比較的に濃度が低いです。

また糊なので懸濁物質は乾燥状態で非常に固化しやすく、凝集した汚泥も粘性が強く、様々な場面で廃水処理の邪魔をします。

画像の説明
糊洗浄廃水。右はアクアネイチャーシリーズで凝集処理した処理水

④その他の廃水(少量~多量)

無い場合も多いですが、その他場内で発生する水(例えば手を洗ったりした際に出るもの)を同様に原水ピットに入るようなフローになっている場合もあります。

以上簡単ではありますが、紙加工業で排出される廃水についてご説明させて頂きました。

 

フレキソインキ廃水処理方法の組み合わせ

前述した通り、この①~④の全部若しくは、どれかが組み合わさって処理をしているところがほとんどです。

いくつか組み合わせをご紹介します。(④は無い場合も多いので省略します)

【組み合わせ事例1】

★①+②→排水処理
★③→排水処理

この組み合わせが最もオーソドックスで一番処理しやすいです。特徴としては、インキ廃水と糊排水は別々で処理を行うと言う事です。

この方だとそれぞれの性質に合わせた処理が出来るので排水処理がしやすくなります。設備は2設備となりますが、③が少量の場合は糊排水は簡易的なもので十分処理可能です。

【組み合わせ事例2】

★①→産業廃棄物処理
★②、③→未処理で放流

イワユル未処理(排水処理をしない)という方法です。①は濃厚過ぎて流石に棄てれないけど、②、③は薄いから洗浄シンクからそのまま流してしまえというやつです。

このような現場もたまにありますが、色の着いた廃液をダバダバ流す事は流石にオススメ出来ません。環境にも企業としての取り組みとしてもオススメ出来ません。

【組み合わせ事例3】

★①+②+③→排水処理

紙加工業で排水処理を行っているところは、この事例1か事例2のどちらかと言っても良いくらい多く目にします。

③が加わる事で、排水処理が非常に難しくなります。また、後段でフィルタープレス等の脱水機を使用する場合は、目詰まりの原因になったり色々と悪さします。

pHもの挙動も非常に不安定なものとなります。

以上よくある処理事例をご紹介しましたが、新たに排水処理を検討するお客様には、是非事例1をオススメ致します。

次回は、この組み合わせ事例3の現場であった『酸性廃水』についてご紹介したいと思います。

 

実際にフレキソインキ洗浄廃水の処理を行った事例

兵庫県の紙加工業における印刷工程で発生するフレキソインキ洗浄廃水の処理を行う目的で、小型排水処理装置とアクアネイチャーALを導入いただいた事例を紹介します。

こちらの企業では以下のご要望を抱えておられました。

  • 排水処理設備が老朽化して更新が必要だが、設備費用は抑えたい
  • 可能な限り短時間で処理がしたい
  • 薬剤費用や汚泥処分費用、その他の消耗品も含めたトータルランニングコストを削減したい

ご要望をお伺いして、ネクストリーからは粉末一剤型凝集剤と、既設のフィルタープレスから自然ろ過方式への変更を提案しました。

既設設備全体を調査させていただき、原水タンクなど流用できる設備を活用したため、イニシャルコストを抑えることができました。

 

粉末一剤型凝集剤を使用することで、簡単に短時間での処理が可能となり、排水処理にかかる労力を軽減できた事例です。

薬剤の一剤化とろ過方式の変更により、汚泥処分費用も含めてトータルでのランニングコストが低減したとお喜びいただいております。

 

フレキソインキ廃水の処理にお困りの方はネクストリーまでご相談ください

フレキソインキ廃水には複数の構成があり、それぞれに特徴があります。

しかし、どんな構成でも小型排水処理装置やアクアネイチャーAL(AL-ST01)などを導入することで、しっかりと処理することができます。

フレキソインキ洗浄廃水の『困った』は是非当社へお気軽にご相談ください。

 

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