
概要
所在地 | 富山県 |
従業員数 | 約400人 |
業種 | 電子部品製造 |
排水種別 | 重金属含有排水 |
排水量 | 300㎥/月 |
導入製品 | ・高分子自動溶解装置 ・重金属捕集剤、消泡剤用の薬注設備 |
導入の形態 | 既存設備との交換、一部改造 |
導入時期 | 2025年3月 |
抱えていた課題
- エマルジョンポリマー槽の配管閉塞による突発的な清掃作業の発生
エマルジョンポリマーの原液槽と溶解槽をつなぐ配管が、ポリマーの粘性によって閉塞する問題が発生していました。配管が閉塞するとポリマーが規定量供給されず、凝集不良を引き起こすため、そのたびに突発的な清掃作業が必要になっていました - 重金属捕集剤・消泡剤の分散性不足
重金属捕集剤と消泡剤を原液のまま薬注していたため、反応槽での分散が不十分でした。これによって薬剤の効果が安定せず、処理効率にも影響していました。
ネクストリーが行ったこと
- エマルジョンポリマーから粉末のポリマーへ溶解設備の変更
従来は、エマルジョンポリマーを使用しておりましたが、本現場ではポリマーの使用頻度が低く、さらに配管の閉塞リスクもあったため、短期保管しかできず粘性の高いエマルジョンポリマーは不向きでした。そこで、保管性と安定供給に優れた粉末ポリマーへの切り替えをご提案し、溶解設備を変更しました。
ポリマーの特性について
・エマルジョンポリマー:半溶解状態で粘性があり、水に溶けやすく溶解時間は短いが、使用期限は約半年と短く、保管管理に注意が必要。
・粉末ポリマー:さらさらとした粉状で、溶解には約1時間の撹拌が必要だが、使用期限は1年以上と長く、在庫管理が安定。
- 薬注タンクへの撹拌機増設
従来設備では、重金属捕集剤・消泡剤のタンクに撹拌機がなく、原液での薬注しかできない状態でした。そのため希釈使用ができず、反応槽内での薬剤分散が不十分でした。新規設備では薬注タンクに撹拌機を新たに設置し、運転時に自動で撹拌機が稼働するよう制御を変更したことで、薬液の希釈と均等化を実現し、薬剤効果の安定化と処理効率向上を図りました。
得られた成果
-
原液槽→溶解槽
480分/2年
0分
100%削減溶解槽→処理槽
60分/3ヶ月
0分
100%削減これまで上記の箇所で閉塞が発生すると、突発的な清掃対応のため長時間作業に追われていました。しかし、ポリマーと溶解装置を変更したことで、設置から現在まで閉塞は一度も発生していません。
現場の状態



