pH調整は排水処理で重要!調整方法や薬品を分かりやすく解説

「排水処理にはpH調整が大切だと聞くけど、正直面倒くさい…。」とお悩みではないでしょうか?

確かにpH調整は排水処理の中で重要な役割を担っています

本記事でそもそもpHとは何かという基本的な事から、重要性や調整方法などを確認していきましょう。

記事の最後には、pH調整が面倒くさい人のためにpH調整しなくても排水処理ができる薬品を紹介しています。ぜひ最後までご覧ください。

 

pHとは?

pHは「ピーエイチ」や「ペーハー」と読み、溶解液中の水素イオンの濃度を表します。

水処理では、主に水の性質が酸性かアルカリ性か判断するための指標となります。

酸性とアルカリ性はお互いのバランスで成り立っており、酸性が強い時はアルカリ性が弱く、アルカリ性が強い時は酸性が弱くなるのが特徴です。

pHは0~14までの数値で表します。

中性が7であり、6以下は酸性で、8以上はアルカリ性です。

小学校の理科の実験で使ったリトマス紙は、水が酸性かアルカリ性かを調べるために使いました。

 

排水処理におけるpH調整の重要性

排水処理において、pH調整が重要である理由を本章で2つ解説します

排水時のpHが定められている

工場外の公共水域に排水するためにはpHを5.8~8.6の中性域に調整しなければなりません

工場などの生産現場で発生する廃水の多くは、酸性またはアルカリ性に偏っていることが多いです。

例えば、pH3の廃水はpH調整をしなければ、工場外に排水できません。

pH以外にも六価クロムやフッ素など、廃水に含まれる成分の排水基準は細かく定められていますので、覚えておきましょう。

参考:環境省「一般排水基準」

凝集処理で使う薬品の量が変わる

pH調整の有無で、使用する凝集剤の量が3倍違ってくるということもあり得ます。

当然、コストにも影響するので、pH調整はやはり重要です。

前述したとおり、廃水は成分によっては取り除かない限り、工場外に排水できないものもあります。

廃水を汚れと水に分けるのが、凝集処理です

凝集処理で使う薬品は「pH値によって威力が変わる」という特徴があります。

例えば、pH6で威力を発揮する凝集剤があったとします。

pH8の廃水を凝集処理する時に、始めから凝集剤を使うとpHが6になるまでは、凝集処理がなかなか進みません。

希硫酸などのpH調整剤を使って、pHを6に下げてから凝集剤を投入すれば、すぐに凝集処理が可能です。

 

pH調整の方法

基本的にはpH調整剤と呼ばれる薬品を水に投入して、凝集処理に最適なpHになるように調整していくことになります。

まずは現状のpHを知ることが大切です。

定期的に水質検査を行って、pHを確認しましょう。

pHを確認するためには、前述した試験紙を活用する方法や、phメーターという計測器を使う方法があります。

現状のpHがわかれば、pH調整剤を投入します。

pH調整剤の代表例は以下のとおりです。

  • pHを下げたい場合:希硫酸や希塩酸など酸性の薬品
  • pHを上げたい場合:苛性ソーダや消石灰などアルカリ性の薬品

pH調整剤は安価な薬品が多いですが、劇物も多いので取り扱いには十分に注意が必要です

 

粉末一剤凝集剤を使えばpH調整が不要になる可能性も

説明してきたとおり、排水処理ではpH調整が重要な役割を担います。

しかし、pH調整のためには劇物であるpH調整剤を使うので、できればpH調整を行いたくないという人も多いでしょう。

弊社では1つの薬品で廃水の凝集処理ができる「粉末一剤型凝集剤」を販売しています。

凝結・凝集の工程を1回の薬品投入で完結できるため、pH調整剤を使う必要がありません。

特に排水量が10㎥/日の小規模排水で威力を発揮します。

面倒なpH調整が不要になるケースもありますので、気になる方はぜひ一度弊社までご連絡ください。

関連記事:粉末一剤型凝集剤とは

 

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