バレル研磨排水のコストを47%削減!UF膜導入でコスト削減と劇物廃止を実現

バレル研磨排水のコストを47%削減!UF膜導入でコスト削減と劇物廃止を実現

概要

所在地富山県
従業員数1000人以上
業種製造業
排水種別バレル研磨機の排水
排水量20〜25㎥/日
導入製品・UF膜廃水処理装置(以下、UF膜と呼称)
導入の形態更新
導入時期2025年12月

抱えていた課題

  • 劇物使用によるリスク
    既設では、薬剤による凝集沈殿処理を行っていたため、pH調整のために希硫酸を使用していました。劇物であることから取り扱いリスクが高く、「できる限り使用をやめたい」というご要望がありました。
  • 作業環境の汚れ
    粉末活性炭を使用していたため、投入口や脱水機周辺が黒く汚れ、清掃の手間が大きな負担となっていました。
  • 作業負荷の高さ
    既設では5種類の薬剤を使用しており、補充のために10kg・20kg単位の運搬が必要でした。外国人従業員や女性従業員が増加する中で、「誰でも安全・簡単に扱える設備にしたい」という要望がありました。
  • 高額な維持コスト
    既設では、月額100万円以上のランニングコストが発生。特に脱水機(フィルタープレス)のろ布クリーニング・ろ布交換が大きな負担となっていました。

ネクストリーが行ったこと

これらの課題を包括的に解決する方法として、UF膜排水処理装置をご提案しました。本装置は、非常に微細な孔を持つ膜を用いて、清澄水と濁水を物理的に分離する処理方式です。薬剤で汚れを固めて沈殿させるのではなく、「ろ過」によって不純物を除去するため、下記の特徴があります。

  • 劇物が不要
  • 粉末活性炭を使用しないため現場が汚れない
  • 凝集沈殿より安定した水質を確保可能

また排水濃度のばらつきを考慮し、以下の3つの工程を組み合わせた設計としました。

  1. UF膜処理
  2. 活性炭塔による後処理
  3. 工場内洗浄水による希釈

これら3つの処理を組み合わせることで、確実に放流基準値以下へ処理できる設計としました。

得られた成果

更新前更新後削減量
薬剤費用48万円/月 3万円/月45万円/月 減
作業費用11万円/月1万円/月10万円/月 減
脱水機 消耗品費用34万円/月34万円/月 減
UF膜 消耗品費用42万円/月42万円/月 増
産業廃棄物 処分費用23万円/月15万円/月8万円/ 減
合計116万円/月61万円/55万円/月(47%) 削減

結果、月額のトータル費用を約47%削減することができました。
特に薬剤管理面での改善効果は大きく、改善前は5種類の薬剤を使用しており、それぞれの購入費用に加え、補充や在庫管理の負担が課題となっていました。
導入後は薬剤を3種類に削減し、補充頻度も大半が月1回程度となったことで、管理負担と作業時間の両方が大きく軽減されました。

提案内容

処理目標と処理結果

処理目標

pH5.8以上8.6以下
BOD25以下
SS120以下
n-ヘキサン(合計)
n-ヘキサン(鉱油)5
n-ヘキサン(動植物)15
1
亜鉛2
窒素120(日間平均60)
16(日間平均8)
アンモニア類100
亜硝酸100以下
硝酸100以下

処理結果

UF膜+活性炭+希釈処理の組み合わせにより、全項目で基準値以下を達成。 排水濃度の変動がある中でも、安定した処理性能を確保しました。

装置の仕様・理由

本事例では、UF膜排水処理装置を導入しました。本体の仕様とオプションは以下のとおりです。

  • UF膜排水処理装置 本体 膜モジュール×20本搭載
    本体は、膜モジュールを最大20本搭載可能なモデルを採用。通常1.5mの膜モジュールを3m仕様とすることで、今回の排水量に対応できる仕様としました。
  • 活性炭塔(オプション)
    排水中のBOD・CODを低減する目的で設置しました。
    バレル研磨で使用する研磨剤には界面活性剤が含まれており、BOD・COD上昇の要因となります。活性炭塔では、粒状の活性炭がこれらの有機物を吸着し、水質を安定させています。
    粒状活性炭を塔内に充填する方式のため、粉末活性炭のように飛散することがなく、作業環境を清潔に保つことが可能です。
  • pH自動中和装置(オプション)
    排水に酸またはアルカリ剤を自動で添加し、pHを中性域に調整する装置です。
    放流基準値を確実に満たすよう制御されており、使用する薬剤はいずれも劇物指定ではないため、安全に取り扱うことができます。
  • 遠隔監視システム(オプション)
    UF膜の運転状況を、離れた場所から確認・操作できるシステムです。
    担当者は他業務との兼務により、常時操作できる体制ではありません。本システムにより、装置の状態確認や異常時の初期対応を遠隔で行うことが可能となります。

また、UF膜は夜間・休日も運転するため、迅速な対応ができます。

処理フローと所要時間

上記の図は、UF膜の簡易フロー図です。この全行程を24時間連続運転で行います。
UF膜モジュールでは、処理水が二つの流れに分かれます。
膜を通過した清澄水は、処理水中継槽へ移送されます。一方、膜を通過できなかった濁水は、濃縮循環槽へ送られ、再び膜処理工程へと戻る仕組みです。この循環処理を繰り返すことで、濁水の体積は徐々に減少し、最終的には処理前の約1/30〜1/50まで減容されます。
その結果、排出する産業廃棄物の量を大幅に削減することが可能となりました。

現場写真

屋内 設置前(正面)
屋内 設置前(横)

屋内 設置後(背面)

屋内 設置後(正面)
屋内 設置後(横)
屋内 設置後(全体)

メンテナンス

今回の装置仕様の場合、担当者が日常的に行うメンテナンスは以下です。

  • 薬剤の補充・発注
    本仕様では、使用する薬剤は「アルカリ剤」「酸剤」「膜洗浄剤」の3種類のみです。
    アルカリ剤と酸剤は、pH調整に使用しますが、原水はほぼ中性であるため、使用量はごくわずかです。また、UF膜モジュールは運転中に自動洗浄が行われます。使用する洗浄剤は、月1回程度の補充でよいため、日常的な作業負担は大きくありません。
  • スポンジボールの交換
    UF膜モジュールの内部には、直径約1cmのスポンジ製ボールが入っており、運転中に内部を往復することで膜表面を自動的に清掃しています。摩耗して小さくなるため、目安として半年〜1ヶ月に1回程度の交換を行います。
  • バケットフィルター・ストレーナーの清掃
    本仕様では、UF膜を保護するために二段階の残渣除去機構を設けています。まず、原水を汲み上げる際に「バケットフィルター」で比較的大きな異物を除去。
    次に、濃縮循環槽からUF膜モジュールへの配管途中にある「ストレーナー」で、より細かな異物を取り除きます。 排水の性状によって目詰まりの度合いが異なるため、運転状況を確認しながら、必要に応じて清掃を実施します。

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