汚泥が浮上してしまう問題解決事例の紹介!

以前、フレキソインキ洗浄廃水処理で凝集処理した汚泥が浮上してしまうというお話をさせて頂きました。

凝集した汚泥が浮上するには、様々な要因があると言うお話させて頂きましたが、つい先日もお客様のところで、これまでは全く浮上しなかったのに、ある日突然汚泥が浮くようになってしまったというお話を頂きました。

 まずは、ヒヤリングが最優先という事で、そのような状況になった経緯を色々と聞かせて頂きましたが、聞けば聞くほど謎が深まるばかりで、状況としては以下の通りでした。

・使用凝集剤→変更なし
・使用フレキソインキ→変更なし
・原水水質濃度→変化なし
・凝集剤添加量→変更なし
・ジャーテスト結果→すべて沈殿(異常なし)
廃水処理装置→凝集槽のみを新設

 唯一の変更箇所が槽の新設のみと言う条件でした。変更箇所がそこしかない以上、原因はそこしかないと考えざるを得ませんが、槽を新設したところで、一体廃水中にどのような変化が起こるのか?考えれば考える程分からなくなる一方でした。

 何度も実機試験を繰り返しましたが、ビーカーでは何度やっても沈殿し、実機ではすべて浮くの繰り返しで全く出口が見えませんでした。

 しかし、浮上する原因は発泡である可能性が高い事は前回のブログでもお話しましたが、そこにあると考えておりました。

そこで、凝集処理を行う前に、消泡剤を使用し、事前に泡を抑制してから凝集処理を行う事で確かに浮上も抑制されました。凝集時に何らかの原因で発泡し、その泡がフロックに付着し浮上している事は間違いないと推測しました。

しかし、なぜこれまで発泡していなかったのに現在は発泡しているのか?

そこがどうしても分かりませんでした。発泡を消泡剤によって抑制出来れば対処出来ますが、根本的な解決(なぜ発泡しているのか)にはなりません。

結果的に、答えが見つからないまま消泡剤を使用して対処して頂いておりましたが、一緒に現場を担当していた方から、ある意見を頂きました。それは

『原水ピットからの組み上げ配管が途中で切れていて槽設置前より短くなってます!』

処理フローとしては簡単に以下の通りでした。

原水ピット→凝集槽→脱水機

原水ピットから凝集槽へのポンプアップ時に、確かに以前よりも水がバシャバシャと音が大きくなった印象がありましたが、これが原因でした。

 旧凝集槽では、原水タンクからポンプアップされその配管が凝集槽の下部付近まで伸びており、静かに溜まって行っておりました。しかし、槽の入れ替え時にその配管を上部で切断してしまい、3㎥あるタンクの上部からもの凄い勢いで下部へ流されておりました。

その原水落下時の高低差により発泡し、その後の凝集処理に影響を及ぼしていると推測しました。

その後、配管を下部まで伸ばし、処理を行った結果、浮上は一切なくなり消泡剤も一切不要となりました。一緒に現場を担当して下さった方からの一言が無かったら解決には至っていなかったです。本当に感謝しております。

 このような困ったが発生した時に、あらゆる角度から、あらゆる視点で現場を観察し、熟考し必ず何らかの原因があるのだと勉強させて頂きました。

これからも、お客様の困ったを共に考え改善して行きたいと考えております。

廃水処理の困ったは是非当社までご相談下さい。

 

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