pH計の管理

廃水処理におけるpH管理の重要性

廃水処理の現場においてpH管理は非常に重要な役割を担っております。

その理由として、pH値は凝集処理を行う上で処理の可否を分ける重要なポイントであるという事がまず第一に挙げられます。

どれだけ素晴らしい凝集剤であったとしても、その廃水が凝結や凝集反応を行うための最適なpH値にない場合、処理が出来ません。

従って、廃水処理のシーンでは常にpH値を把握しておく必要があります。

主観ですが、病院に行ったらまずは、体温計を貰って熱を測るようなイメージかと思います。

弊社への問い合わせの中でも凝集不良のご依頼が最も多いですが、まずは『原水のpH値はどのくらいですか?』と尋ねております。

 

廃水処理における一般的な放流基準



廃水処理後の処理水を放流するにあたり、下水道放流の場合においても河川放流の場合においても放流基準値が明確に定められています。

下記に一般的な放流基準を記載します。



河川放流:pH5.8~8.6
下水放流:pH5~9



 地域や放流先の河川によっても基準は多少異なりますが、一般的には上記のpH値内での放流が義務付けられております。



 このように廃水処理のシーンにおいてpH管理は非常に重要な役割を担っております。



 しかし、廃水処理の現場でこのような質問をする事が度々あります。



このpH計って生きていますか・・・??

 

pH計測のメンテタンスについて

pH計は測定する回数や廃水の種類によっても頻度は異なりますが、定期的なメンテンナンスが必要となります。主なメンテナンス内容として



◎電極の洗浄
◎pH計の校正
◎内部液の補充



等が挙げられます。このメンテナンスを怠ると、指示計に表示されているpH値が正しいものか、かなり疑問です。



 全くのノーメンテナンスであれば、まず間違った表示がされていると思った方が良いかと思います。

 

まとめ

弊社への問い合わせ内容として、



『処理水を絶対に中性域にして欲しい』



とお問い合わせを頂いても、現場のpH計がこのような状況では、ジャーテストとの整合性が取れません。



 先ほどのお話しに戻りますが、病院に行って壊れた体温計で測定した体温を元に診察を受けても、お医者さんも診断しにくいですよね。



 まずは、自社の廃水処理装置のpH計を一度取り外し、電極の状態や内部液等確認してみて下さい。



 ハンディのpH計をお持ちなら、一度ハンディのpH計を校正しpH値を測定して、指示計の表示値と比較してみて下さい。



 廃水処理の困ったは、是非弊社までお気軽にご相談下さい。

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