前回加圧浮上装置とは、どのような装置で、どのような仕組みで凝集汚泥を浮上させるのか
についてご説明させていただきました。
今回は、加圧浮上装置と相性のいい廃水について
ご説明させていただきたいと思います。
加圧浮上装置は排水中の浮遊物質を気泡の浮力を
利用して浮上させることができます。
重要となるのは、水より比重が重いか、軽いかです。
水より比重が重い物質は水底に沈み、
軽い物質は浮かび上がってきます。
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比重が軽い物質は浮上しやすく、加圧水によって浮上します。
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比重の重たい物質は沈みます。
凝集処理による沈降分離と比較すると除去精度は多少劣ります。
水より比重が軽い物質の代表例として、
油分を含む廃水や凝集フロックが軽く少ない廃水がございます。
加圧浮上装置において安定した効果が発揮できる廃水です。
加圧浮上装置は、コンパクトな設計で設置スペースが小さく、
また槽内の汚泥滞留時間が短いため処理速度が早い等、
メリットがございます。
しかし、排水中の懸濁物質を安定して浮上させることができなければ
トラブルの原因となるので、加圧浮上装置に限らずではございますが、
導入を検討する際は十分に検証を行う必要がございます。
以上、今回は加圧浮上装置と相性のいい廃水について
ご説明させていただきました。
次回は、「加圧浮上」の前段工程で行う凝集処理工程
についてご説明させていただきます。