脱水用ポリマーの選定①

ネクストリーの藤井です。
大雨や洪水・台風といった自然災害が多発している中で、先日の北海道
胆振東部地震が発生し、被災地域の一日も早い復旧を心より祈念申し上げます。

今回は、活性汚泥後の余剰汚泥の脱水についてご紹介致します。
お客様からの相談内容は、
 「凝集がうまくいっていない為、
 スクリュープレス脱水機の脱水スピードを最低速度で運転しなければならない。
 最低スピードで運転してもしっかりと搾れない。」

という二つの問題がありました。

まず廃水サンプルを送ってもらい、汚泥の性状を確認しました。

【排水性状】
分析項目と分析結果は以下の通りでした。

懸濁物質〔SS〕 25.34㎎/l
蒸発残留物〔TS〕 2.8%
強熱減量〔VTS〕 57.67%
pH 6.64
M-アルカリ度 622㎎/l
電気伝導度 1.448mS/cm
粗浮遊物 1.88%/TS

分析項目について少し説明すると、

○懸濁物質〔SS〕
 ⇒ 水中に浮かぶ1μm以上の浮遊物の事で、この値が大きいほど濁った水
   という事になります。脱水の場合には、SSの濃度が高いほど、脱水性
   が良くなります。
○蒸発残留物〔TS〕
 ⇒ 試料を105度±5度で蒸発乾燥させた時に残るものの重量の事で、浮遊物
   と溶解物の総量の事です。SSと同じように割合が高い方が脱水性が
   良くなります。
○強熱減量〔VTS〕
 ⇒ 蒸発残留物(TS)を更に600度で焼いたときに揮散する物質量をを重量比で
   表したもので、有機物の量とみなします。
   VTSは低い方が、脱水性が良くなります。
○pH、M-アルカリ度
 ⇒ pHが低い場合は、腐敗している場合が多く、汚泥が腐敗すると脱水性が
   悪くなったり、汚泥に粘性が出たりします。
   また腐敗した時に生成される有機酸はアルカリ度を消費します。
○電気伝導度
 ⇒ 電気伝導度が高い場合には、汚泥中にイオンや塩類が多いため、凝集剤の
   投入量が多くなる可能性があります。また、溶解性物質が多いともいう
   事ができます。
○粗浮遊物
 ⇒ 汚泥を100メッシュのふるいでろ過して、水で洗浄して残った物質を蒸発
   乾燥させたものの事を云います。粗浮遊物が多いと脱水性が良くなります。

以上の事をふまえて、分析結果を見てみると

TS=2.80%、SS=25.34㎎/L、VTS=57.67%、粗浮遊物=1.88%/TSとなっており、
VTSは低いけれども粗浮遊物が少ないので、脱水が難しい性状の廃水である
事がわかりました。

下の写真は『脱水用ポリマーの選定②』で説明します。
画像の説明

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