エマルジョンポリマーを小規模廃水処理に活用!

ネクストリーの藤井です。
一時期はどうなることかと思った暑さも和らいで、少しずつ
秋の気配が漂ってきてますね!!


さて今回は、高分子凝集剤の中でもエマルジョンタイプ(液体)
のものを小規模廃処理に活用した事例を紹介致します。

先日、バレル研磨廃水の処理でお客様から問合せを頂きました。
廃水量は、1日最大で30L。
水処理の業界で言えば、非常に小規模な廃水処理になります。
でも当社はこういう小規模廃水の処理が得意です。

早速お客様に廃水サンプルを送って頂き、試験を実施。

まずは自社の粉末一剤型凝集剤「アクアネイチャープラス」で試験!!
しかしどれだけ入れてもうまくいかない。
どんどん廃水がドロドロしていく一方。
※20,000ppm(2%)まで入れたが、凝集しなかった。

そこで助剤として無機凝集剤(PAC)を使用した処理方法を検討。
PACを入れ、その後「アクアネイチャープラス」を投入。
凝集はするものの、フロックが大きくならない。
アクアネイチャープラスに使用しているポリマーとの相性が
良くないようで、フロックが全く大きくならない。
これでは、ろ過袋でろ過する際にもフロックがリークしてしまう
可能性があるので、良くない。

そこで基本に立ち返り無機凝集剤(PAC)+高分子凝集剤の試験を
行う事に!!
アニオンポリマーは、相性が悪くてダメ?
カチオンポリマーは、OK◎
その中でも弱カチオンとの相性が非常に良い!

《処理前》              《処理後》
画像の説明 画像の説明

『この処理方法でお客様に提案できる。』と思ったが...

実際に現場で処理をするとなると非常に大きな問題点が一つ。
それは、高分子凝集剤を溶解しなければならないこと。。。

高分子凝集剤(ポリマー)は、基本的には粉末のもので、使用する際には
水に溶かしてから使う必要がある。しかし、その溶かす作業が大変。

水に溶けきるまでに1時間以上攪拌しなければならない上に、溶かした
ものは1週間以内に使い切らないと性能が落ちてしまうので、毎週1時間
以上の時間をかけて溶解作業をしなければいけなくなってしまう。

一週間で1時間なら・・・と思うかもしれませんが、専用のタンクと
撹拌機を使った場合の時間で、バケツやハンドミキサーを使ってやろうと
すると倍以上の時間は覚悟する必要がある。

1日30Lの廃水を処理するのに、薬品を溶かすだけで1時間以上かかると
なるとお客様にとっては非常に作業負担の増える話で面白くない。

これでは手間ばかりがかかってしまい、意味がない。
簡単に処理が出来なければ良い処理方法とは言えない。
そこで、何か良い方法は無いかと考えに考え、思案する事10分(苦笑)

「エマルジョンポリマーがいいのでは!??」

※エマルジョンポリマーとは、通常は粉末の高分子凝集剤ですが、
 コーティングをし液体状にした高分子凝集剤の事。

早速、メーカーさんに相談したところ、
「一般的ではないけれども現場でデモ試験をするときに、ペットボトル
 に水を半分ほど入れ、そこにエマルジョンポリマーを入れ、あとは
 バーテンダーになった気分で激しく振る事で、使える状態になります。」
との回答が!!!!

これです。まさにコレです。私が求めていたのは。
ペットボトルに入れて振るだけで、溶かして使うことができる。
特別な装置も必要なく、短時間で溶かすことができる!
なんと素晴らしい!!

ビーカー試験で処理ができる方法を見つけるだけではなく、いかに実際に
則した処理方法を提案できるかが、非常に大切です。

常にお客様の目線・視点に立って考え、ベストの提案をする。
これからも日々、精進してまいります。

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