界面活性剤を排水処理したい!処理する方法や事例をわかりやすく紹介

「界面活性剤を排水処理できない」「もっと簡単に処理したい」と社内で検討したことはありませんか?

界面活性剤を含んだ廃水は処理が難しく、正しく処理できていない状態で河川に放流すると、泡が出て近隣住民とトラブルになるケースもあります。

本記事では排水処理のプロであるネクストリーが、界面活性剤の排水処理方法について解説します。

界面活性剤の排水処理に課題があるユーザー様は、ぜひご一読ください!

界面活性剤を含んだ廃水について

界面活性剤は、工業用の洗浄剤や家庭用の洗剤に含まれる成分で、油分等の汚れを落とす効果があります。

製造業においては、部品や製造ラインのクリーニングに重宝されていますが、排水処理薬品と全く反対の作用を持ち、処理が難しいのが特徴です。

 

界面活性剤の排水基準

実は界面活性剤自体には排水基準が設けられていません。

界面活性剤に含まれ、排水基準が指定されているBOD・CODやn-ヘキサンが基準値以下であれば河川に放流しても問題ありません。

しかし、処理数値だけを基準に界面活性剤を含んだ廃水を放流すると、大量に泡が発生する可能性もあるので、注意が必要です。

過去には泡が原因で界面活性剤の放流について役所から注意喚起が出た事例もあります。

参考:京都市上下水道局「界面活性剤の下水道への排出に関するお願い」

界面活性剤は河川の泡立ちの原因となるため、場合によっては排水せずに産廃として処理することも検討しなければなりません。

■専門用語の解説
BOD:生物化学的酸素要求量。数値が大きい場合、水中の有機物の量が多いことを意味する。
COD:化学的酸素要求量。BODと同様に水中に含まれる有機物の量を表す。
n-ヘキサン:ノルマルヘキサン抽出物質。水中の油分等を表す指標。

 

界面活性剤含有廃水の排水処理

一言で界面活性剤と言ってもアニオン界面活性剤やカチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤があり、さらに原料や親水基・疎水基の種類によって更に細かく別れています。

引用:https://jp-surfactant.jp/surfactant/nature/index.html

界面活性剤含有廃水を処理する方法としては、大きく2つあります。

  • 生物処理:高度処理が可能だが、処理に時間がかかり設備に莫大なコストが必要
  • 凝集処理:SS由来の成分の除去が可能で、比較的簡単な設備で処理が可能

弊社は凝集処理を専門としてますので、上記の凝集処理についてご説明します。

アニオン界面活性剤やカチオン界面活性剤は、電荷(+-)を持っているので、凝集剤(PACや硫酸バンド、高分子凝集剤)などを使用して除去することができます。

一方、両性界面活性剤や非イオン性界面活性剤は電荷を持っていない、あるいは持っていても弱いため凝集剤だけでは処理ができません。

凝集剤だけでは処理できない場合は、粉末活性炭と凝集剤を使って処理をします。

 

界面活性剤含有廃水を処理した事例

実際のお客様からの依頼を例に説明します。

このお客様からは「フィルターの洗浄廃水を処理し、下水道へ排出したい」という要望でした。

洗浄廃水は、下の写真のように真っ黒です。このまま容器に入れ振った場合には右の写真のように、激しく泡立ちます。

原水と原水の泡立ち

ここへ、凝集剤だけを入れると

凝集剤単体処理

上澄みは透明になるものの、容器に入れて振ると処理前と同じように激しく泡立ってしまいます。

そこで、凝集剤を入れる前に粉末活性炭を投入し、十分に反応させた後で凝集剤を入れると下の写真のように、非常に透明になると同時に容器に入れて振っても泡立たなくなりました。

活性炭と凝集剤処理

この状態にまで処理ができれば、界面活性剤は除去できたと判断できます。

※簡単に界面活性剤が除去できているかどうかを判断するには、容器に入れて降って確認する方法が一番簡単です。

 

界面活性剤含有廃水の処理は専門業者に頼ろう

界面活性剤を除去する場合、複数の粉末活性炭と複数の凝集剤の中から最適な組み合わせを選んだり、最適な処理の流れを見つける必要があります。

これは、専門の知識が必要で非常に難しいため、界面活性剤廃水の処理で困った際には、ネクストリーへご相談ください。

 

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