今日は先日行った、染料廃水処理のビーカーテストの内容
をお伝えさせていただきます。
着色に使用される塗料、インクの色の素となる顔料、染料には
それぞれ特徴があり、廃水処理においてそれぞれ処理方法が変わります。
顔料と染料の大きな違いは、水や油に溶けるか溶けないかです。
顔料は粒子径が大きく、水や油に溶けません。
その反対に染料は粒子径が非常に細かく、水や油に溶ける性質を持っています。
染料が持つ、この【溶ける性質】が凝集処理を妨げる要因となっており、
非常に厄介です。
粒子径が非常に小さく凝集処理では捕集できないため、
凝集剤を使用しても色素成分が残ってしまいます。
色素成分のような粒子径が非常に細かい成分を除去するために
活性炭による吸着処理が効果的ですので、
今回は凝集処理と活性炭による吸着処理を併用しビーカーテストを行いました。
<処理フロー>
①排水に対して適正量の粉末活性炭を添加し、15分撹拌する。
②その後、粉末一剤型凝集剤アクアネイチャープラスを適正量添加し、5分撹拌する。
③攪拌停止後の処理水の状態を観察する。
↑活性炭の使用量は廃水濃度によりますが、吸着効果があることが確認できます。
↑濃度が高い場合、また活性炭の使用量が不足している場合、
凝集した際の処理水は写真の通り色素成分が除去しきれず
色みが残る結果となります。
考察としては、今回試験を行った廃水は、濃度が高い印象でした。
希釈することで容易に処理することができますが、
希釈しなかった場合は添加量が多量となり、
適正添加量が判断しづらい結果となりました。
廃水処理において活性炭は、色素成分の除去に限らず有害物質、
CODの除去等の効果もございます。
一剤型凝集剤は使用方法が簡単かつ、用途は幅広い廃水に効果がありますので、
作業現場における作業者の労力改善と廃水処理における薬剤コストの削減等、
その効果は魅力的です。
ですが、万能さに欠ける点もございますので、
今回のような活性炭による吸着処理との組み合わせで補うことも可能です。
今回は染料廃水処理のビーカーテストについてご説明させていただきました。
弊社では、日々お客様からいただいた廃水のビーカーテストを行っております。
今後も廃水処理におけるビーカーテストの結果、考察等について
ご紹介、ご説明させていただければと思います。