メッキ廃水処理「訪台記②」
メッキ廃水処理「訪台記②」
ネクストリーの藤井です。
東京では、そろそろ桜も満開となる頃でしょうか。
富山ではそろそろ桜の開花宣言がでる頃でしょうか!!
前回に引き続き、台湾のメッキ工場の廃水処理の報告です。
前回は高分子凝集剤の選定についてお話させて頂きましたが、今回は
CODの除去についてです。
メッキ処理をする際には、リン酸やクエン酸・アンモニアなどの有機酸を
使用するため、凝集不良が起きやすかったり、CODが高くなってしまう事が
あります。
そのため様々な薬品を使ったり、処理工程や処理手順を詳細に検討する
必要があります。
これまでメッキ廃水については、処理水の分析をしなければ重金属が
除去出来ているのかいないのかを判断する事が出来ない。という事もあり、
あまり積極的には取り組んで来ていませんでした。
しかし今回、様々な縁があり台湾のメッキ廃水に取り組む事となり、
これを機にしっかりとノウハウと蓄積していきたいと思っています。
CODの除去についてですが、前回訪台した際に試験をした段階では
凝集処理後のCODが300後半~600㎎/Lと高く、このままでは放流する
事ができません。
(ちなみに日本国内ではCODの分析はマンガンですが、台湾はクロム
のため、CODの値が日本よりも高く出ます。)
CODが下がり切らないという点については、訪台前の予備試験でも
分かっていた事なので、活性炭による処理の準備していきました。
試験写真
この活性炭を通す事でCODが
642㎎/L ⇒ 6㎎/L
532㎎/L ⇒ 30㎎/L
385㎎/L ⇒ 18㎎/L にまで処理する事ができました。
※基準値は100㎎/L(社内目標は50㎎/L)です。
一般的な活性炭でもこのくらいの除去率はあると思います。
今回提案している活性炭の最大の特徴は、
オンサイト(その場)で再生ができる。という点です。
実際の装置はこんな感じです。
※写真に写っているのは、この装置のメーカーの社長です!!
通常の場合には、入れ替えをしなければならず、そのコストが莫大に
かかってしまいます。しかしこの装置は、加熱水蒸気によって飽和した
活性炭を再生させ、何度でも使う事ができるため、ランニングコストを
大幅に削減する事ができると共に、安定した処理が可能です。
凝集処理により、可能な限りCODの値を下げ、後段で活性炭による処理で
確実に排出基準を満たし排出します。
凝集処理については、更にCODの低減を図るべく次回訪問の際に、
更に細かく試験をする予定をしております。
様々な廃水に対応できるよう、日々努力し成長をして行きますので、
お困りの事がございましたら、是非ご相談ください。