強酸性廃水の凝集処理方法も簡単?お客様の廃水を元に処理事例を解説します!

日々様々な廃水が弊社に届きますが、廃水の種類だけでなくお客様のご要望も様々です。

先日、弊社に多大なご協力を頂いている同業者様から、ある廃水が届きました。

廃水の概要としては酸洗浄による強酸性廃水です。原水pHは0.9と非常に低く、またお客様のご要望で処理水のpH値をなるべく原水pH値に近い値で処理して欲しいとの事でした。

上記の廃水を処理する上での課題は大きく2点ありました。

①凝集剤のpH
弊社の凝集剤の大きな特徴は一剤型であるという事です。原水のpHが中性域でなくても、弊社の凝集剤で処理する事により処理水が中和剤を使用する事なく中性域に入り、放流する事ができるように作られております。

その為、製品そのもののpH値は弱酸性から中性のものが多いです。そのような中性の凝集剤を強酸の廃水に投入すると処理水pHが中性に向かっていってしまいます。

②酸性域下での凝集
懸濁物質を凝集する上で、処理時のpH値は非常に重要です。中性域での凝集処理が最も容易で、強酸・強アルカリ域では凝集処理は難しくなります。

通常の処理フローであれば以下のフローが思いつきます。

①苛性ソーダにより中和処理(pH0.9→7前後)
②凝集処理
③希硫酸によりpH調整(7前後→pH0.9)

このような処理方法であれば、確実にご要望には
お答えできます。しかし、処理工程が3工程になり苛性ソーダや希硫酸などの劇物も取り扱わなければならなくなります。非常に煩雑で作業者の安全面も配慮する必要があります。

そこで、今回上記2つの課題をクリアし作業工程も1工程で済むように製品のカスタマイズを行いました。以下ジャーテストの写真です。:

      原水
      廃水原水。色が付いていますが、今回は濁りを取る事が目的です。

      処理水(試作品2 500ppm)
          処理水。懸濁物質を凝集する事が出来ました。

ジャーテストの結果として、以下のようになりました。
原水=pH0.94→処理水pH=0.95
凝集剤添加量200~500mg/ℓ

※2022年12月現在、上記の製品の販売は終了しております。

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