凝集加圧浮上装置とは?凝集沈殿との違い、仕組みや処理フローを解説

凝集加圧浮上装置とは?凝集沈殿との違い、仕組みや処理フローを解説

「排水から油分が取り除けない…。」とお困りではありませんか?

この場合、凝集加圧浮上装置を導入することで課題が解決するかもしれません。

本記事では、排水中の油分や微細なSSを除去するのに適した凝集加圧浮上装置について、凝集沈殿装置との違いなどを含めてわかりやすく解説しています。

凝集加圧浮上装置について、詳しく知りたい方は必見です。

凝集加圧浮上装置とは?

凝集加圧浮上装置は、排水中の微細な懸濁物質(SS)や油分などを除去するための装置です。凝集処理して大きくした汚れの塊(フロック)を、加圧した水中の微細な気泡を使って浮上させます。

  • 凝集沈殿装置との違い
  • 主な用途

まずは上記2点を確認して、凝集加圧装置の概要を理解しましょう。

凝集沈殿装置との違い

同じく水中の汚れを取り除く装置に、凝集沈殿装置があります。凝集処理によって大きくしたフロックを重力で沈降させて分離する装置です。以下の表で両者の違いを見てみましょう。

項目凝集加圧浮上装置凝集沈殿装置
分離原理フロックを浮上させる(浮力)フロックを沈降させる(重力)
処理対象比重が軽い油分など比重が重いSS主体の排水
処理時間短い(浮上分離が速い)長い(沈降に時間が必要)
設置スペース小さい大きい

表からわかるように、どちらも汚れをまとめて分離する仕組みです。沈殿装置は、汚れを沈める、加圧浮上装置は浮かせるのが主な違いであり、排水の性質によって向き・不向きがあります。

主な用途 

凝集加圧浮上装置は、凝集したフロックが水に浮く場合に適切です。油分や動植物性脂肪を含む排水、塗装や洗浄工程の排水のように凝集沈殿では処理が難しい微粒子を含む排水などに使用されます。

例えば、食品工場では肉や乳製品に含まれる油脂分を効率よく除去でき、自動車部品工場では脱脂・洗浄工程の油膜除去に効果的です。また既存の沈殿処理ラインに後付けすることで、処理水質の安定化や汚泥削減にも貢献します。

凝集加圧浮上装置の仕組み

凝集加圧浮上装置は、大きく分けて以下2つの工程から成り立っています。

  • 凝集
  • 加圧浮上

それぞれの工程を掘り下げて確認していきましょう。

凝集

排水に薬品を段階的に加えて、汚れを大きくする工程です。

まずはPACなどの無機凝集剤を投入して、水中に分散する粒子をくっつきやすい状態にします。(一次凝集)

続いて中和処理によってpHを整え、高分子凝集剤で小さなフロック同士をつなぎ合わせて直径1〜3mm程度の粗大フロックに成長させます。(二次凝集)

凝集処理の詳細については、以下の記事で詳しく解説していますので、合わせてご確認ください。

参考:排水の凝集処理とは?処理の流れや事例をわかりやすく解説

加圧浮上

凝集処理された排水に、空気を高圧で溶かし込んだ加圧水を注入する工程です。

加圧水が常圧に戻ると、溶けきれなくなった空気が直径30〜120μmほどの微細な気泡(マイクロバブル)として発生します。この微細な気泡が凝集フロックに付着することで、フロック全体が浮力を得て水面に浮上する仕組みです。

浮上したフロックは上部に集まり、スクレーパーで除去されます。この工程により、従来の沈殿方式では除去しにくい成分も効率的に分離可能です。

凝集加圧浮上装置の処理フロー

凝集加圧浮上装置では、以下のフローによって排水の汚れを取り除きます。

  1. 原水調整槽:pHや水温を調整し、凝集剤の添加条件を最適化
  2. 凝集槽:無機・高分子凝集剤を投入し、フロックを形成
  3. 加圧浮上槽:空気を加圧水に溶け込ませて送り込み、フロックを浮上させる
  4. 汚泥スクレーパー:浮上した汚泥を表面から除去
  5. 処理水槽:固液分離された清澄水を次工程へ送水

このように、凝集→加圧→浮上→分離の一連の流れで、短時間かつ高効率の処理を実現します。

凝集加圧浮上装置のメリット

凝集加圧浮上装置の最大のメリットは、油分や微細なSSを効率的に除去できることです。マイクロバブルを利用してフロックを浮上させるため、従来の沈殿方式では分離しにくい油膜や微粒子も短時間で処理できます。

装置構造が比較的コンパクトで設置スペースを抑えられるのも魅力的な特徴です。高圧ポンプや溶気装置を備える必要はありますが、一般的には凝集沈殿装置よりも省スペースとなります。

運転の自動化も進んでおり、日常の管理負担を軽減できる点もメリットです。通常運転時は人手をほとんど必要とせず、省人化と省力化に貢献します。

凝集加圧浮上装置のデメリット

一方で、いくつかのデメリットもあります。まず、急激な負荷変動に対しては処理が不安定になりやすい点です。流入水質や油分濃度が大きく変動すると、気泡付着が不十分になり、処理速度が落ちてしまいます。安定運転のためには、前処理や流量調整による負荷の平準化が重要です。

高圧ポンプや溶気装置を使用するため、導入費用が比較的高額で、電力のランニングコストがかかる点にも注意が必要です。装置自体はコンパクトでも、周辺機器を含めた維持管理コストが発生します。また、安定した稼働を行うためには、定期的なメンテナンスも不可欠です。

排水処理装置でお困りの際はミズサポまでご相談ください

排水処理では、「既存装置で油分が除去しきれない」や「処理水が濁っている」などの課題が起こるケースがあります。課題の解決が難しい場合は、既存方式にとらわれずに最適な排水処理装置を検討することが大切です。

もし排水処理装置についてお困りであれば、ミズサポまでご相談ください。お客様の課題をヒアリングさせていただき、今回紹介した凝集加圧浮上装置を含めて、最適な排水処理装置をご提案します。

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