出てくる廃液の量と有害物質は?

出てくる廃液の量と有害物質は?

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“1日あたりの排水量が50m3を超える”もしくは“有害物質を含む排水”を出す場合、水質汚濁防止法の適用を受けるため排水処理が必要です。

逆に排水量と有害物質の条件のどちらも満たさない場合は、水質汚濁防止法の適用を受けません。しかし、各自治体の上乗せ基準や横出し基準、地域との協定など他の規制を受ける場合もあるので、注意が必要です。

本記事では排水処理が必須となる2つの条件「廃液の量」と「有害物質」を確認して、それぞれの確認方法をわかりやすく解説しています。

排水処理が必要になる条件は2つ

特定事業場で排水処理が必須となる条件は、以下の2つです。

  • 排水量が1日50m3以上である
  • 排水に有害物質が含まれる

それぞれを以下で詳しく確認していきましょう。

排水量が1日50m3以上である

特定事業場に該当する場合、水質汚濁防止法が適用され、1日の排水量が50m3以上の場合は排水処理が必須となります。

”一日50m3”という排水量は、特定施設から出る排水量だけではなく、特定事業場全体の排水量となるので、注意が必要です。

排水に有害物質が含まれる

一方、排水に基準値以上の有害物質が含まれる場合も処理が必須です

水質汚濁防止法では28種類の有害物質が指定されており、人の健康被害や生活環境の悪化を引き起こす恐れがあるため、排水基準が厳しく定められています。有害物質については以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

参考:水質汚濁防止法の有害物質とは?排水基準や違反した場合の罰則を解説

つまり、1日あたりの排出量が50m3未満で、有害物質が含まれていない場合は、基本的に排水処理は不要となります。ただし、自治体によって、より厳しい排水基準を設けている場合があるため、排水先の基準を遵守する必要があります。

排水量の調べ方

1日あたりの排水量は、基本的には工場の排水処理施設に付いている流量計から確認しますが、もし流量計が付いていない場合は、以下の方法でも確認できます。

  • 実際に流れている排水部分にバケツを置いて実測する
  • 水道料金の請求書に記載されている使用した水の量から推測する
  • ポンプにアワーメーターを取付けて運転時間とポンプの吐出量から推測する

排水量が正確かどうか心配な方は、排水処理の専門メーカーに相談してみるのもよいでしょう

有害物質の含有有無の調べ方

排水中に有害物質が含まれるかどうかは、使用している原材料や薬品のSDS(安全データシート)を確認しましょう。水質汚濁防止法の規制物質になってるものは、SDSの「適用法令」の欄を見れば確認できます。

例えば、電池の電解液や電子部品の洗浄溶剤として知られるアセトニトリルは、別名シアン化メチルであり、有害物質であるシアン化合物です。以下サイトのSDS「15.適用法令」の欄で、水質汚濁防止法における有害物質に指定されていることがわかります。

参考:職場のあんぜんサイト SDS「アセトニトリル」

排水処理した水はどこに流す?

1日あたりの排水量が50m3以上もしくは排水中に有害物質が含まれている場合は、排水処理が必須であることがわかりました

また、上記の基準は国が定めているもので、自治体毎に更に厳しい基準を設けている場合があるので注意しましょう。

排水処理設備を導入する前に確認しておきたい最後の項目は、「流せる基準値」です。基準値を知ることで、どのような排水処理設備を導入すべきかが見えてきますので、以下の記事で確認していきましょう。

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