汚泥削減はなぜ必要?削減の具体的な方法や事例を紹介

汚泥削減はなぜ必要?削減の具体的な方法や事例を紹介

「汚泥削減を行って、産業廃棄物の処理コストを圧縮したい!」とお考えではありませんか?

排水処理の副産物として発生する汚泥は、多くの水を含み、重くかさばるため、処分費用が高額になり、運搬や処分に伴うCO₂排出など、環境への負荷も大きくなります

本記事では、汚泥削減の必要性や具体的な方法についてわかりやすく解説しています。汚泥削減にお困りの方は必見です。

そもそも汚泥とは?

汚泥とは、排水を処理する過程で発生する固形物を多く含んだ泥状の物質です。

見た目は泥のようで、水分を大量に含み、自然脱水では含水率が90%を超えることも珍しくありません。重量のほとんどが「水分」であり、処理や運搬に大きな負担をかけています。

汚泥削減のポイントは含水率を下げること

汚泥削減で最も重要なのは、含水率を下げることです。以下の例を見れば、なぜ含水率が重要か、一目瞭然です。

例えば、含水率95%の汚泥が1,000kgあったとします。これを含水率90%にしたときの汚泥量は、5%減ではなく50%減です。以下に計算式を示します。

■含水率と汚泥削減量の計算について例)
1000kgの汚泥(含水率95%)を含水率90%にしたときの汚泥量

1000kg(総汚泥量) ✕ 5%(固形分の割合) = 50kg(固形分の量)

◯含水率95% の場合(固形分の割合:5%) 50kg(固形分) ÷ 5% = 総重量 1,000kg
◯含水率90% の場合(固形分の割合:10%) 50kg(固形分) ÷ 10% = 総重量 500kg

大前提として、汚泥に含まれる固形分量は変わらないため、上記例の場合、汚泥の含水率が5%下がるだけで、汚泥の送料は50%減になります。

つまり、含水率を下げることは、汚泥削減においては非常に重要です。

汚泥削減の必要性 

汚泥の削減は、以下の理由によって各社で必要性が増しています。

  • 運搬・処分コストの削減
  • CO₂排出などの環境負荷削減

汚泥は含水率が高く、重くかさばるため、運搬費や最終処分費用が企業の大きな負担となります。汚泥の水分を減らして、汚泥全体の量を削減できれば、燃料費や輸送にかかる人件費、処分費用の削減が可能です。

また汚泥を焼却すると化石燃料由来のCO₂や窒素酸化物などが発生し、埋立処分では有害ガスが発生するリスクがあります。そのため、汚泥削減は環境対策としても重要です。処分量を減らすことでCO₂や有害ガスの排出・リスクを直接的に低減でき、企業の温室効果ガス排出量を削減できます。

汚泥削減の具体的な方法 

汚泥削減を行う方法は様々ですが、主に以下の4つを覚えておきましょう。

  • 凝集剤など薬品による処理
  • 脱水処理
  • 乾燥処理
  • 汚泥の資源化

それぞれの方法を掘り下げて確認していきます。

凝集剤など薬品による処理

凝集剤を使った処理は、汚泥削減の基本的かつ効果的な方法です。排水中の微細な固形物はそのままでは脱水しにくいため、凝集剤を添加して粒子を大きくまとめることで水と分離しやすい状態にします

PACや硫酸バンドなどの無機凝集剤は、投入量が多くなると汚泥が増加します。後工程で使用する高分子凝集剤と合わせて、添加量を最適化することで、汚泥量を減らせる可能性があります。まずは廃水の性状に合わせて凝集試験を行い、最適な添加量を見つけ出すことが大切です。

凝集処理については、以下の記事で詳細を解説していますので、ぜひご覧ください。

参考記事:排水の凝集処理とは?処理の流れや事例をわかりやすく解説

脱水処理

脱水処理は物理的に汚泥中の水分を除去する方法です。排水処理設備と同時に導入されることが多く、適切に運用することで汚泥の含水率を大幅に下げられます。

例えば、含水率を95%から80%まで下げるだけで、重量はおおよそ半分以下になり輸送・処分コストを劇的に削減可能です。ただし機械導入には初期投資や定期的なメンテナンスが必要であり、廃水量と汚泥から費用対効果を事前に算出する必要があります。

汚泥脱水機については、以下の記事で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。

参考記事:汚泥脱水機は必要?仕組みや種類、導入時のポイントを解説

乾燥処理

乾燥処理は、脱水後の汚泥をさらに乾燥炉や熱風乾燥装置に入れて、水分を飛ばす方法です。含水率を10〜20%程度まで下げられるため、輸送・処分量を劇的に削減できます

ただし、乾燥装置の運転には多くのエネルギーを必要とし、電力・燃料コストが高額なことがデメリットです。汚泥削減は、環境負荷やCO₂の排出削減につながりますが、乾燥処理で多くのエネルギーを消費すると、メリットが失われてしまいます。

山奥や豪雪地帯など汚泥の搬出そのものが難しい地域などではメリットがありますが、一般的な地域では、メリットを出しづらい汚泥削減方法だと言えるでしょう。

汚泥の資源化

汚泥を単なる廃棄物として扱うのではなく、有用な資源として活用する動きも広がっています。代表的なのは、セメント原料や土木資材への利用、堆肥化やバイオガス化などです。資源化を進めることで、最終処分量を減らすだけでなく、循環型社会への貢献にもつながります

ただし、全ての汚泥が資源化できるわけではないので、事前に資源化が可能かどうか確認することが大切です。

汚泥削減でお困りならミズサポまでお問い合わせください 

汚泥削減は、産業廃棄物の処理コストだけではなく、環境負荷やCO₂の削減にもつながります。しかし、汚泥削減できるかどうかは、それぞれの現場での条件によって異なるため、何が正解かわからない場合も多いでしょう。

もし汚泥削減でお困りであれば、お気軽にミズサポまでご相談ください。お客様の現状をヒアリングさせていただき、最適な排水処理方法から汚泥削減方法までトータルでサポートします。

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