「SS(浮遊物質量)が排水基準以下にならない…。」とお悩みではありませんか?
SSは水の濁りの原因となる物質であり、水質汚濁防止法で排水基準が定められているため、SSを含む排水処理にお困りの方も多いでしょう。
本記事ではSSの概要から排水処理方法まで網羅的に解説しています。SSの排水処理にお困りの方は必見です。
SSとは?
SSとは水中に浮遊している2mm以下の浮遊物質のことであり、地表から出る粘土鉱物などの微粒子、動植物性のプランクトン(死骸を含む)、下水や工場排水に含まれる金属や有機物の粒子などが代表例です。
SSと混同しやすいのが「濁度」という指標です。どちらも水質の指標として使用されますが、以下のとおり違いがあります。
- SS:水中にある浮遊物質量の質量を測定する
- 濁度:水の透過率や光の散乱を測定する
SSは物理的な浮遊物質の質量を計りますが、濁度は水の濁りを光の透過率に基づいて評価するので、SS以外の色素などにも影響を受けるのが特徴です。水の透明度が高く濁度が低い場合でも、肉眼で確認できない浮遊物質によって、SS値が高くなることもあります。
SSが高い排水が及ぼす影響
SSを含む排水は、水質汚濁防止法で排水基準が定められています。一律排水基準は200mg/L(日間平均150mg/L)であり、基準を超過した排水が出ると以下のような悪影響を及ぼす可能性が高いです。
- 魚のエラがふさがり窒息死につながる
- 太陽光が届かなくなり藻類の光合成が阻害される
- 有機性物質のSSが腐敗して悪臭が発生する
このように環境に多大なる負荷がかかるため、SSには一律排水基準が設定されています。一律排水基準ではSS以外の基準も定められていますので、詳しくは以下の記事をご覧ください。
参考記事:5.流せる基準値は?
SSを含んだ排水の処理方法
SSを含んだ排水は以下の2種類の方法で処理されるのが一般的です。
- 物理処理
- 薬品処理
それぞれの処理方法を確認していきましょう。
物理処理
物理処理は水中の固形物や浮遊物をろ過や沈澱・浮上といった物理的な方法で除去します。主な物理処理は以下のとおりです。
- スクリーンろ過:格子状のスクリーンに排水を通して水中の浮遊物を除去する
- 遠心分離:遠心分離機を使用して固液分離する
- 減圧蒸留:圧力を低下させて液体の沸点を下げて低温で蒸留を行う
- 膜ろ過:孔のあいた膜に排水を通して水中の浮遊物を除去する
SSを含んだ排水は、まず物理処理で一次処理することが一般的です。
薬品処理
薬品処理は化学薬品を使用して、水中の固形物や浮遊物を除去する方法で、SSを除去するものとしては凝集処理が代表的です。
凝集処理とは凝集剤という薬品を水に添加して、SSを含む水中の浮遊物・固形物を大きなかたまりにして沈澱させることで、水と分離させる方法となります。
排水の凝集処理については、以下の記事でイラスト付きでわかりやすく解説していますので、ぜひご覧ください。
参考記事:排水の凝集処理とは?処理の流れや事例をわかりやすく解説
SSを含んだ排水を処理した事例
SSが問題となるケースが多いのが土木工事の現場です。土木工事の現場では雨天時に山から川に濁った水が大量に流れる可能性があります。SSが多い濁った水をそのまま川に流すと、生態系に悪影響を及ぼす可能性が高く、排水処理が必要です。
以下の記事では、凝集剤による薬品処理の事例が紹介されています。濁った水の濃度に合わせて凝集剤を添加してSSを取り除き、清澄水を川に放流できるようになった事例です。
参考記事:株式会社ネクストリー 導入事例「土木工事業 工事濁水の処理」
SSの排水処理ならミズサポにお問い合わせください
SSが多く含まれる排水は処理せずに流してしまうと川の生態系の破壊や悪臭の原因となる可能性があり、水質汚濁防止法で排水基準が設けられていますので、確実に排水処理するようにしましょう。
もしSSの排水処理でお困りであれば、ミズサポまでお問い合わせください。お客様の現状をヒアリングさせていただき、最適な処理方法や薬品を紹介いたします。