水処理とは?用水処理・排水処理や関係する法律をわかりやすく解説!

水処理とは?用水処理・排水処理や関係する法律をわかりやすく解説!

「自社で水処理が必要になったけれど、何をすればよいかわからない…。」とお困りではありませんか?

水処理は、主に「排水処理」や「用水処理」の総称であり、非常に広い範囲で使われています。そのため、まずは自社で必要な水処理がどのようなものか把握することが大切です

本記事では水処理の概要や仕組みについてわかりやすく解説しています。水処理の基本を理解して、自社で必要な水処理について知りたい方は必見です。

水処理とは?

水処理とは水の中から不純物や不要物を取り除いて、用途に合わせた水質を作り上げることです。また、水の中にはさまざまな大きさの不純物が溶け込んでおり、粒子の大きい不純物から取り除いていくことが、水処理の基本です。

画像:粒子の大きさと分離方法のイメージ

上の画像は、処理したい汚れの粒子径ごとに除去する方法を表しています。例えば、川の水の汚れを分離するには、まず粗い砂をスクリーンで取り除き(物理処理)、泥などは凝集分離(薬品処理)を行うことで汚れを取り除くことが可能です。

その後、殺菌処理を行うことで、水道水として利用することが可能になります。

2種類の水処理

水処理は大きく以下の2種類に分けられます。

  • 排水処理:水を捨てるための処理。河川や海に放流できる水質。
  • 用水処理:水を使うための処理。飲料水や生産設備で使える水質。

どちらも水の中にある不純物や不要物を除去するという点は同じですが、水処理する目的が異なります。次に排水処理から順番に解説していきます。

排水処理とは?

排水処理とは、汚れた水を河川や海に流せるレベルまで調整する水処理のことです。生活排水と工業排水で処理の仕組みが異なるので、以下で詳しく確認していきましょう。

生活排水

生活排水とは、私たちが生活で使った後の水のことです。料理や洗濯で使用した生活排水には、食べ物の残りかすや油、洗剤などが含まれているため、そのまま川や海に流すことができません。

生活排水は下水道を通り、下水処理場に送られます。下水処理場では、物理処理でごみや砂を分離させてから、生物処理で生活排水をキレイにしていきます。そして、塩素で殺菌した後に川や海に流される仕組みです。

工業排水

工業排水は、工業製品や食品を作った後に出る水のことです。工業排水には有機溶剤などの化学物質、油や金属などが含まれており、生活排水と同じくそのまま川や海に流すことができません。

工場では国や地方自治体が定める排水基準に収まるように、工業排水の状態に合わせて様々な排水処理が行われます。万が一、排水基準に満たない工業排水の場合、法律によって罰せられる可能性もあるので、注意が必要です。

工業排水の処理方法については、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

参考記事:排水処理とは?3つの排水処理方法や具体例をわかりやすく解説

用水処理とは?

用水処理とは、使用用途に合わせて水質を調整する水処理のことです。生活用水と工業用水の2種類に分かれる用水処理について、詳しく確認していきましょう。

生活用水

生活用水とは、わたしたちが家庭で使用する水のことです。飲み水はもちろんのこと、料理、洗濯、お風呂、掃除や洗濯で使用する水のことを指します。また家庭だけではなく、オフィスや飲食店、ホテルや旅館などで使用する水も生活用水の一部です。

生活用水の源は川の水であり、浄水場でわたしたちが安心して使えるように水処理されて、配水場から配水管を通って、家庭やオフィスなどに届けられています。

工業用水

工業用水とは、工場の生産活動に使用する水のことです。機械の冷却や原料の希釈、部品の洗浄など幅広い用途で使用されます。

工業用水は生活用水のように飲むことができません。上の画像は工業用水と生活用水が作られるまでのフロー図です。どちらも浄水場で水処理されるのは変わりませんが、工業用水ではろ過池での物理処理と塩素による薬品処理がないことがわかります

また、工場でも生活用水が生産に利用されるケースがあります。例えば、半導体の洗浄で使用される「超純水」は、工業用水より不純物の少ない水道水から、製造する方が効率がいいからです。

水処理に関わる法律

水処理に関わる法律で代表的なものは以下の2つです。

  • 水道法:用水処理に関わる法律
  • 水質汚濁防止法:排水処理に関わる法律

それぞれの法律を嚙み砕いて解説していきます。

水道法

水道法は1957年に施行された「日本全国に清潔な水を安価に安定して届けられる水道を整備する」ための法律です。清潔な水の定義は水道法の第4条で定められており、51項目の水質基準に適合する必要があります。

参考:環境省「水質基準項目と基準値(51項目)」

海外では蛇口から出る水を飲めない国もたくさんありますが、日本で水道水をそのまま飲めるのは、水道法によって清潔な水の定義が明確になっているためです。

水質汚濁防止法

水質汚濁防止法は1970年に施行された家庭排水や工業排水に関する法律です。イタイイタイ病や水俣病など、工業排水が原因で起こる公害を起こさず、国民の健康を守るために制定されました

水質汚濁防止法では、28種類の有害物質が定められており、それぞれ川や海への排水基準が決まっています。水質汚濁防止の有害物質については、以下の記事で詳しく解説していますので、合わせてご確認ください。

参考記事:水質汚濁防止法の有害物質とは?排水基準や違反した場合の罰則を解説

水処理に困ったら専門企業に相談しよう

解説してきたとおり、水処理にはいくつかの種類があり、それぞれで処理方法が異なります。まずは自社での問題点を整理して、どの水処理を行う必要があるのか明確にすることが大切です。企業のほとんどは排水処理を行っており、水質汚濁防止法の改正も関わってくるため、お困りの企業も多いでしょう。

もし排水処理に困ったら、専門企業に相談するという手段もあります。ミズサポまで、ご相談いただければ、お困りごとをヒアリングしたうえで、最適な排水処理方法を提案可能です。ぜひ一度お問い合わせください。

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