「排水処理でトラブルが起こったけれど、どこに相談すればよいかわからない…。」とお困りではありませんか?
排水処理現場の担当者の頭を悩ませるのが、凝集不良や悪臭などのトラブルです。事前にトラブルの原因を理解しておけば、早期に解決できる可能性が高まります。
本記事では、排水処理でよくあるトラブルの原因と対策をわかりやすく解説しています。排水処理のトラブルにお悩みの方は必見です。
目的
排水処理で起こるトラブルとは?
工場や施設の排水処理は、有機物、SS(浮遊物質)、金属など多様な汚濁物質を扱うため、わずかな条件変化でも処理状態が不安定になります。生産量の変動、原水の性状変化、気温やpHの変動などは、濁りや悪臭、処理水質の悪化など、さまざまなトラブルの原因です。
排水処理で起こるトラブルは、凝集沈殿処理と生物処理によって異なります。それぞれの処理ごとに起こりうるトラブルを理解しておけば、実際にトラブルが起こった際にスムーズに解決できるでしょう。
凝集沈殿処理でのトラブル
凝集沈殿処理は、凝集剤という薬品を加えて水の汚れを沈降させる処理です。この処理のトラブルには、以下があります。
- 処理水が濁る、※フロックが小さい
- フロックが浮く
それぞれを具体的に確認していきましょう。
※フロック:排水中の微細な汚れを集めて、大きな塊にしたもの
処理水が濁る、フロックが小さい
■主な原因
- 凝集剤の種類や添加量が原水の水質に合っていない
- 原水のpHや温度が変動して凝集反応が不安定になる
- 攪拌不足または過剰攪拌によってフロックが壊れている
■対策
- 原水の性状に変化がないかを確認する
- 少量の廃水で試験し、最適条件を確認する
- 無機凝集剤+高分子凝集剤の併用など、組み合わせを見直す
- 原水変動に応じたpH制御や流量制御といった自動制御を導入する
- 撹拌機の速度を調整する
凝集処理がうまくいかなくなると、小さいフロックが水中に拡散し、処理水に濁りが発生しやすくなります。すると、排水基準を超過する可能性が高まります。
まずは原水のpHやSS濃度を分析して、適正な凝集剤の種類や添加量を確認しましょう。ミズサポでは、水質分析から凝集剤の提案までサポートが可能です。
フロックが浮く
■主な原因
- 油分や界面活性剤の混入
- 廃水の腐敗によるガス発生
- 微細気泡の付着
■対策
- 前処理での油分除去を強化する
- 汚泥が腐敗しないように迅速に処理を行う
- 消泡剤で泡を物理的に消す
凝集剤を入れて、フロックを沈殿させたいのに、反対に浮いてしまう不具合です。食品系やインク系など有機物を含んでいる排水で特に多く、夏場の高温や原水槽での長期間放置によりガスが発生し、フロックが浮きやすくなります。
フロックが浮いてしまった場合は、汚泥の腐敗がそれ以上に進まないように迅速に処理を行い、消泡剤を使用して物理的に対応することが大切です。
生物処理でのトラブル
生物処理でよく起こるトラブルには以下があります。
- 悪臭・ガス発生
- 処理水質が悪い(BOD・CODが下がらない)
- 泡の異常発生
それぞれを掘り下げて確認していきましょう。
悪臭・ガス発生
■原因
- 曝気不足や水が長く滞留しすぎて槽の中が酸素不足になっている
- 汚泥の腐敗や有機物の分解不良が起きている
■対策
- 曝気の強化または槽内撹拌の見直し
- 定期的な汚泥引き抜き、スカムの除去
- 活性炭吸着・脱臭装置の導入
有機物系排水を処理する生物処理で、よく起こるのが悪臭やガスの発生です。水中の酸素不足や汚泥の腐敗によって発生する硫化水素などが悪臭の原因となります。
曝気量を確保して水中に酸素がある状態を維持して、浮遊汚泥であるスカムが溜まっている場合は、早急に引き抜きを行うことで、悪臭やガスの改善が可能です。曝気量を十分に確保して水中の酸素を維持し、浮遊汚泥(スカム)が溜まった場合は早急に引き抜くことで、悪臭やガスの発生を抑えられます。
悪臭やガス発生の予防に役立つ曝気装置につきましては、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
処理水質が悪い(BOD・CODが下がらない)
■原因
- 原水の濃度や流量の急激な変化
- 水中の酸素不足
- 微生物バランスの崩壊(栄養不足・老化)
■対策
- 調整槽で水を貯めて、流量・濃度を均一化する
- 余剰汚泥の適正引き抜き
- DO(溶存酸素)の適正化
- 微生物バランスの調整
排水のBODやCODの数値が下がらない場合は、微生物が正常に働けているかどうか確認する必要があります。
例えば、栄養バランスの崩れや酸素不足、汚泥の滞留によって微生物の活性が低下していることがあります。原因を特定し、曝気量や汚泥引き抜き量を見直すことで、水質の改善が期待できます。
泡の異常発生
■原因
- 界面活性剤の流入
- 糸状性微生物の増殖
- 過剰な曝気
■対策
- 流入原水の管理
- 糸状性微生物の抑制
- 曝気量の適正化
- 消泡剤の使用
泡の異常発生は、見た目だけでなく、処理性能の低下や設備トラブルの前兆です。
泡によって酸素の供給が妨げられたり、スカムとして汚泥が流出したりすることもあるため、早めの対策が重要です。
排水処理設備でよくあるトラブル
排水処理設備では、以下のような機械的なトラブルが発生します。
- 鉄製部品の腐食
- ベアリングなど部品の劣化
- ポンプの故障
それぞれについて詳細を確認していきましょう。
鉄製部品の腐食
排水処理設備で、トラブルとして多いのが鉄製部品の腐食です。中でも液体と金属が接する部分が最も腐食の進みやすい部分となります。
排水の中和不良によるpH低下や、水中の酸素不足・汚泥の腐敗で発生する硫化水素などが、腐食の原因です。
腐食が見られた段階で補修を行うのはもちろん、排水の定期的な点検を習慣化することで、トラブルの未然防止につながります。
ベアリングなど部品の劣化
排水処理設備には、ベアリングやシール類など多くの消耗部品が使われています。
中でもベアリングなど回転部品の劣化は、機械的トラブルの中でも頻発しやすく、モーターの焼損や装置停止につながる可能性もあるため、早期に対策することが大切です。ベアリングは消耗部品ですが、定期的にグリスアップを行うことで、寿命を伸ばせます。
また、シールやパッキンの劣化による水や薬品の浸入は、ベアリング損傷の主な原因となります。定期点検で摩耗や亀裂を早期に発見し、適切なタイミングで交換することで、回転部のトラブルを未然に防ぐことができます。
ポンプの故障
排水処理におけるポンプの故障は、単独で起こることもありますが、多くの場合は他のトラブルが原因です。汚泥やスカムが堆積すると、吸込み口が詰まり、ポンプが空運転や過負荷状態となります。
また原水流量の急激な変化もポンプが早期に劣化する原因です。ポンプが頻繁に運転と停止を繰り返すと、モーターやシール部の劣化が早くなります。
さらに、pHの変動や薬品濃度の異常によってポンプ内部が腐食したり、パッキンが劣化して漏れが発生することもあります。ポンプの故障が続く場合は、機械の問題だけでなく、前段階の処理条件や運転管理の見直しも必要です。
トラブルを防ぐためのポイント
排水処理のトラブルは、さまざまな要因が複合的に絡まって起こります。ひとたびトラブルが発生すると、要因を一つひとつ確認する必要があるため、大きな手間となります。そのため、未然に防ぐことが重要です。
以下はトラブルを防ぐためのポイントです。
- 定期的な水質分析で原水変動を確認する
- 生産量、季節変化を考慮した運転条件を設定する
- 設備の清掃、点検を定期的に行う
- 緊急時に対応できる業者を見つけておく
これらのポイントを徹底することで、排水処理トラブルを未然に防ぎ、安定した排水処理を実現しましょう。
トラブルの際に相談できる業者を見つけておこう
排水処理のトラブルは、専門的な知識が必要となるケースも珍しくなく、自社のみでの対応が難しい場合があります。凝集試験や水質分析、設備点検などを専門的に行う業者と連携しておくことで、トラブル発生時も迅速な対応が可能です。
ミズサポでは、水質分析や凝集試験の実施、排水処理の提案までトータルでサポートできます。排水処理のトラブルでお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。