汚泥処理

固化材とは?セメント系・石灰系・中性固化剤の特徴や違いについて紹介!

今回は汚泥の土壌改良の際に使用される固化材についてお話しいたします。
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セメント系固化剤

汚泥にセメントを入れて固める方法です。セメントは水を入れると固まる性質ですが、汚泥の中に含まれている水を使って固めます。30%ほど添加しないと固まらず、1度の工事で出る約2万トンの汚泥に30%添加となると、大量のセメントが必要となります。使用量は多くなりますが、しっかり固まります。

デメリットとしては、セメントにはクロム(金属)が含まれていたりしますが、土を再利用した後に土からそのクロムが出てくるリスクがあります。そのため、セメント系固化材NGの現場もあります。しかもセメントだとアルカリ度が高いということもあり、改良土を植生土として再利用する場合には使用できません。

汚泥を固化するためにはある程度のアルカリ分が必要なので、アルカリ度が高いのはしょうがない部分もあるのですが、クロムの問題や強アルカリになるという理由からセメント系固化材は最近あまり選択されなくなってきています。

石灰系固化剤

よく使われているのは、生石灰です。粒状の石灰の塊を汚泥の中に入れると熱を発し、水分を蒸発させ汚泥の含水を下げます。生石灰もアルカリ度が高いため、植生土には向きません。それに熱を発するので火傷や事故につながる場合があります。生石灰もNGの現場があります。

高含水汚泥の場合上記2つは苦手分野で、どちらかと言うと低含水の汚泥に使われるのが一般的です。

中性固化剤

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※アースネイチャー粉末

弊社の製品である「アースネイチャー」もこの種類に入ります。厳密に言うと製品そのものは中性ではなく、先ほども言及したとおり汚泥を固化させるためにアルカリ性寄りです。
改良した後に中性になっていき、最終的に中性の土として再利用ができます。

この「アースネイチャー」の主原料はペーパースラッジ(製紙焼却灰)と言って、本来紙を生産する際には最終的に残った廃材は焼却するのですが、その燃え残った灰です。
近年このペーパースラッジが注目されています。

★吸水率が高いため、高含水の汚泥に対応可能。
★有害物質やクロムを含まず、安全に使うことができる。
★中性域の固化材である。

固化材分野と凝集剤分野をあわせ持った製品であり、凝集のメカニズムも組み込んでいます。

さらに添加量でいいますと、固化材分野は20〜40%必要なところ、アースネイチャーは1%、多くても3%で済みます。改良後の全体的なボリュームが抑えられ、作業が比較的楽になります。

セメントと比べるとアースネイチャーは製品自体の価格は高いのですが、添加量や改良後のボリュームを考慮し、運搬コストや作業量等も加味しながら全体のコストを見ると、差があまり無かったり場合によっては安くなることもあります。
それにセメント・石灰系は再利用しにくいので、再利用できる価値も考えるととても使いやすい製品になっていると自負しております。コスト面を検討するにあっての重要なポイントは製品のキロ単価ではなく汚泥1㎥を処理(改良)して運搬するのにいくらかかるのかです。製品選びのご参考になればと思います。

それでは、今回は土壌改良で使用する固化材についてお話しいたしました。

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